感覚人間の果汁分析

生来、もう長いこと感覚で生きてきた。冷静に考えると、よく今まで大過なく生きて来れたなぁと思うことがある。

もちろん、必要に応じて(というか切羽詰まって)思考し、リサーチし、粘って、決断し、最後は根性で切り抜けてきた。よくまぁ30年以上も会社経営ができたもんだ、と、ちょっと感心する。

そんな自分が移住してまで身を投じた世界「農業」「ワイン」は、思い切り理数系の仕事だった、という皮肉。常に数値と向き合う必要がある。

中でも極めて難しいのが収穫適期の判断。

醸造もそうだが、分析ありき、かつ、感性が求められる。当然経験値も。

これは難しい。

感性は得意分野だ。ただ、経験値が浅い。たった7年じゃひよっこだ。なので、勢い分析値に頼らざるを得ない。

糖度、酸度、pH。その推移。数値とは別に食味による判断。天候の予測。品種特性。病害虫の状態。目指すべきワインのスタイル。収量(経営判断)。

おそらくその全てが合わさるあたりが「経験値」ということなのだろう。

ワインの品質にかかわる収穫適期。難儀だ。

今のところ、白品種の収穫は22日〜26日あたり。まだ決められない。

投稿者: vart-jpn

ワイン用ぶどう栽培農家。ワインショップ・バート運営。画家。