夏本番スタート

昨29日、信州の梅雨明けだったようです。

長かった、今年の梅雨は。特に7月11日以降はほぼ毎日のように降り、さらにここ10日間ほどの雨量はかなりなものだった。

加えて、28日(日)の19時過ぎから降り始めた雨は局所的な集中豪雨が岩清水地域を直撃。自然災害が少ないこの地もさすがにやや危険な状況になった。一部の家屋では床下に土砂が入り込んだようだ。近隣の道路は雨水が溢れ、砂利道はボコボコになっていた。

幸い自分には直接的な被害はなかったけれど、新しく借りた畑へのアプローチとなる道路の土手が崩れ通行不能となった。

その日曜日の昼間は、8月11日に新たにオープンするフレンチレストラン&カフェの看板を立てる作業を行った。

看板のデザインと製作は私、鉄骨の骨組みは「ヒデちゃん」という近所の何でもできる人の造作だ。ボランティアでの手助けも加わり、中々良い出来となりました。

看板はレストランの「ラ・ロッシュ」がメインで、移住者の先輩「カフェあんこ坂」さんとウチの「VART」、そして村の案内マップを掲載した。通りかかったら是非ご覧くださいね。

さて、既に先週から30℃越えは続いているけど、今日からはまさに夏本番といった天気が続きそうだ。本日の気温はお昼過ぎには33℃を越えた。

今後は夏時間でいく。早朝から畑作業をして、12時前ぐらいにお昼休憩〜午後3時ころから行動を始め日没近くまで畑作業。こんな感じだろうか。

体調管理の難しい季節だけど、ぶどうはここからが勝負所。梅雨の長雨で病気も出始めている。がんばりましょう。

いろいろアツくて。

ここ上田市も連日の真夏日越え。2日連続の32.7℃でした。北海道には驚きましたが。

そんな中、ぶどう達はスクスク育っている。昨日から2度目の芽かきスタート。

昨日と言えば、地域の棚田活動に奉仕。「稲倉の棚田」で行われたオーナー様の田植えイベントのお手伝いをしてきました。少しだけ。

それどころじゃない、っていう心持ちも。個展間近っていうのもあるけど、その前にお知らせをひとつ。

【第75回 現展】というのが間もなく始まります。

現代美術家協会のメイン展覧会です。

<期間>5月29日(水)〜6月10日(月)※火曜日休館

<会場>国立新美術館(東京・六本木)

あと少し下記のご招待DMあります。ご希望の方はご連絡ください(といっても知り合いしか連絡先が分からないと思いますが)。

いろいろです、やること。

暑さも、アツさも嫌いじゃないですが。

農民のGW

改元騒ぎはどこ吹く風、農民はGWの10日間もフル稼働です。

新しい畑を借りました。村の目立つ場所にある。地形の都合上、一枚で広々とした効率の良い畑は無いため、長細く段状になっている。しかし陽あたりは抜群で水はけの良い適度な傾斜地だ。いままで気づかなかったが中々見晴らしが良い。小さいながらも「風光明媚」という形容がぴったりくる。

※写真(↓)は4月25日のもの。手前側と続きで右側の奥に広がる。

苗が手に入りづらくなっているため、とりあえずは入手できた本数だけ30日に植えた。カベルネ・フランを68本。初めての品種だ。昨日現在順調。

27日は去年に借りた小さな畑に暗渠(あんきょ)を設置する工事。地中に排水孔のあるパイプを埋め込むのだ。もちろん一人で全部こなす。腰が悲鳴をあげそうになった。

基盤整備された土地は形状は良いがカチカチの強粘土で水はけが悪い。昨春より一年かけて草を生やして養生させたものの肝心の雑草や緑肥もろくに伸びず仕舞だったため、まずは水はけ改善を施しもう一年土壌づくりをする。ちなみに、ここはタダで貸していただいた。「田舎は人間関係が濃密で面倒くさい」と都会の方々の数%から意見があるが、普通にちゃんと接していれば物事がビックリするほど楽に話しが進むことがある。

28日(日)は村のお花見。お寺の境内で催された小さな宴会。

その他もずっと畑仕事。真田ヴィンヤードのメルロ、シャルドネ、リースリングは今のところ順調。ヴィンヤード周辺の片付けも滞っている。巻きつる除去が進んでいない。ワイヤーも追加しなきゃ。新しい柱立ても必要。あれこれ考えるとやることいっぱいで作業は遅れ気味じゃん!

今朝の家の前のシャルドネ。若木なのでちょっと早めに進んでいる。芽掻きも始まっている。

寒くなったり暑くなったりしているけど、比較的ふつうの育成スピードと思われる。

関東の南岸付近では先日、雹が降ったようだ。果樹農家にとっては怖い天変。この時期に畑を襲わないよう、ただただ祈るしかない。

機械も科学もなかった昔の人々が篤い信仰心に支えられていたことを知る農民生活です。

日本の田舎で南米まるかじり。

先日、日本では手に入らないワイン、そうそう食すことのできない料理の数々(しかも手づくり!)で南米を堪能した。

ふだんは殺風景な我が家の食卓が、こんなに美しい光景となった。

「金にものをいわせて自宅にシェフを呼ぶ」という行為はできない、当然。ここは日本の田舎の村。ワタシの家。それなのに、こんな幸せな時間が得られる。ムフフッ。秘密のルート。※違法行為は一切しておりません。

ペルー、アルゼンチン、チリ、メキシコのワイン、堪能しました。余韻が残る。気に入ったのはなんと言ってもアルゼンチンのPIATTELLI、EL ENEMIGO(左端2本)。ニューワールドでアルゼンチンの評判の高さは知っているが、これほどとは思わなかった。驚きの美味しさ。芳香が口の中で長い時間彷徨ってくれる。

思い出す度に唾液がにじみ出てくる南米料理の数々。名称を記憶することはほぼ不可能なので、用意してくれた資料はしっかり保管します。

田舎暮らしの素敵な一夜。

人と人との繋がりは、様々な楽しみを与えてくれる。

感謝。

平成のなごり雪

驚きました、昨日は。

関東地方も気温が低かったようですが、暖冬の今シーズンに降らなかった雪がいっぺんにきちゃったみたいな昨日でした。

昨日の最大積雪は目測で約12cm。時節柄どんどん解けるものの一夜明けた今朝8:00現在3〜5cmは残っている。晴れてきつつあるけど、まだパラパラと降っていやがる。我棲む村は季節外れの美観となった。

一昨日は暖かい関東からやってきた知人夫妻が泊まったが、昨日の朝起きてビックリ。「午前中には雨にかわるだろう」とタカを括っていたものの、雪気配は一向に衰えず仕舞。ノーマルタイヤで来ていたため「帰れないぞ」「もう一泊か?」ということでクルマもろとも我が家で軟禁状態に。

さすがに昼過ぎ頃には真剣に考え始め村からの脱出計画を立て始める。結局ウチのクルマでオートバックスに行ってスパイク付ゴム製のタイヤチェーンを購入して家に戻って装着。ようやく帰路につくことができました。

ちなみに、ウチの村から山を降りて市街地に行くと道路は何の問題もなかった。つまり、上田市の僻地であったことを再確認することに。

平成の終わりに春の大雪。これもまた一興。

スロットル開いてきた

今日からまた下がり気味のようですが、先週からの春気配は本物ですね。

真田の畑にも春本番がやってきました。つまり畑仕事が忙しくなる。まだ時おり朝晩に雪がちらつくかもしれないけど、もう氷点下が続くことがない。なので、根回りを保護していた藁を外す作業をおとといから始めた。

真田ヴィンヤードは陽あたりが良く比較的暖かいので、一部ダメージを受けている個体を除きほとんどの樹が順調に動き出している。「すくすく育っている」ていう印象。根が元気な証拠で、水がどんどん上がってきている。

お隣の梅園では梅が満開だ。桜じゃないよ。標高600〜800m付近は今が梅の見頃です。

農作業もエンジン全開です。

人生最大の作品

といっても、「傑作」とかそういうのじゃなくて、サイズのこと。

横11m×縦2.8m。これはデカイ。

最初にお話しをいただたときは、ちょうど色々と忙しくなる頃だったのもあり乗り気じゃなかったけど、翌朝起きたときに「面白そう」と思ってしまい、同時に絵が浮かんできちゃった。

しかも、これだけの大きい面に描くことはそうそう無いと思ったので、その点でも新しいチャレンジとしてやり甲斐を感じた。

2月20日にスタート。場所は長野県東御市の喫茶&ギャラリー「茶楽庵」。ここの駐車場に描くので作業は定休日のみとなる。水曜・木曜がそれに当たるが、どうしたものかいつも木曜日が天候悪く、結局、週に一回程度しか描けない。

そして、初めてのサイズでもあり中々手強くて、結局1ヶ月半もかかってしまった。

なにはともあれ、完成して良かった。

ぶどう栽培の一年を描いた。

左から、冬の剪定に始まり、草花が生えてきて草刈りやったり、伸びてきた枝葉の管理をやったり、もちろん消毒も。畑には様々な動物や虫たちがやってくる。やがて成熟期を経て沢山の人の手を借り収穫、そしてワイナリーのcave hatanoで仕込みだ。そうしたら最後は、豊穣を祝う宴。ワインにパンにチーズにソーセージ、生ハム、サラダと自分の好きな食材ばかり並べた。背景は真田ヴィンヤードから望める山並み。日々の農作業で感じている、目に入ってくるものをすべて盛り込んだ。

まぁ、ぜんぶ出しだ。時々描いているときに通りがかりの小学生や普通のおじさんおばさんが褒めてくれるけど、変な評論家の言葉より嬉しいかな。

オーナーさんご夫妻にも喜んでいただけました。

昨日はUCV(上田ケーブルビジョン)というローカルのケーブルテレビ局が取材にきました。自分の故郷でいうとテレビ神奈川に相当するのかな?もっとも、上田市の僻地・岩清水にはUCVのケーブルが通っていないので、結局自分では見ることができないのが笑える。

何はともあれ、楽しめました。

 

第一歩

待ち遠しいなぁ。

近い将来の過疎集落まっしぐらなウチの村に、イタリアンとフレンチを主体としたレストランができる。順調にいけば6月頃のオープンだと思う。

「誘致できた!」という感じ。かねてから親しくさせていただいていたシェフに声を掛け、決断してくれたのだ。

自分がこの村に初めて来た頃から「ここがレストランだったら素敵なのに・・・」と思っていた古民家があった。

オーナーさんは、隣に新しい家を建ててからは倉庫がわりにこの古民家をつかっている程度だったので、「このチャンスを逃すまじ!」という意気込みで思い切ってオーナーさんに提案。レストラン開業による古民家の維持、村の将来に有用なこと等々を理解してもらい、シェフにも会ってもらい、条件面もふくめトントン拍子に話しが進んだ。

過疎集落と侮るなかれ、「美しい小さな村」への第一歩が始まる。

時代の時々にリフォームを施してはいるが、築158年だという。

庭も広〜い。

待ち遠しいなぁ。

3度目の生ハム

17日(日)、長野県上高井郡高山村というところへ手作り生ハムの仕込みに行ってきました。今回で3度目の仕込み体験となります。

燻製をせず、塩漬け・乾燥のみで1年以上熟成させて完成させるシンプルなスペイン式「ハモンセラーノ」。乾燥し気温が低い冬の高地で行うのが適しているのです。

「原木」と呼ばれる豚の後ろ脚1本(約11kg)をまるごと仕込む。本場スペインのはイベリコ豚といわれる黒豚ですが、ここは長野県。飯山市産の「みゆき豚」を原料として使います。

まずは血抜き。太い血管部分をぐいぐい押して処理します(この体験後にもあと1回は行うようです)。

血抜きが終わったら、塩漬け作業。たっぷりすり込みながら塩だらけに覆います。

この後もしみ出てくる水分を綺麗に除いたりと細かく管理していただき、乾燥に進みます。寒〜い加工場の天井にはすでにたくさんつり下がっていて壮観。

1年以上の熟成とはいえ、2年熟成だともの凄い美味しさだから、やっぱり2年近くは待ちます。

ワイン同様、ゆっくり作られるものには深い味わいがある。日本はもとより世界中の昔の食卓に普通に並んでいたシンプルな料理の数々。原料と塩、時間だけ、とかいっぱいある。

複雑で、手が込み、研究され、開発され、新規性に富み、スピード感に溢れる近年のグルメに興味を失いつつあるのは、自然な流れなのかな?

美味しいものには、待ち時間が必要なようです。

どんど焼き

今日は正月の恒例行事「どんど焼き」でした。田舎暮らしの初心者、都会からの移住者には珍しいかも?

本来は小正月に行うようですが、暦の都合もあり本日の開催となりました。集落でも見晴らしの良い場所のひとつ、岩清水神社参道の入口付近で行います。遠くに北アルプスが望める快晴の中、割合多くの村民が集まってくれました。

竹や松葉を櫓のように組んで、各家から注連飾りや達磨、お札などを持ち寄り焚きます。

焚き火が鎮火して灰になったころを見計らって色つき団子を焼く。子供の頃を思い出す懐かしいワンシーン。

ちなみに、昨年の役員としての行事が、このどんど焼きをもってすべて終了。正月だけど「ようやく一年が終わった」感じがした。

さて今年はどんな年になるのかな?