もはや予測不可能

真田のメルロ、22日(土)と23日(日)に収穫します。天候次第で前後する可能性もありますが、ほぼこれで決定。

異例の前倒しです。早すぎます。もっと長く、できるだけ長い期間ぶどうの房をつけておきたかった。

この夏の上田市はまさに異常気象。暑すぎた。夜の温度も下がらない。移住して6回目の夏で初めて熱帯夜を経験した。異例づくしの夏。もはや予定することさえ無意味だった。

今のところぶどうの状態は良好ながら、少しずつ晩腐病という病果も出てきている。9月に入っても長雨にはならず晴れ間があったりと日照量もそこそこある。果汁分析値、食味ともに決断の時だ。

ピンチは歓喜

本日、2018の初収穫。白ワイン品種のシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランです。酷暑の夏を証明するかのように昨年より2週間早い。

「最悪、2〜3人ぐらいで病果の多い収穫作業になっちゃうのかな・・・平日だし」と、このピンチに少々焦っていた。

が、集まってくれましたぁー!歓喜!

酒屋さんご夫妻2組、栽培友だち、シェフ2人、地元・岩清水から2人、上田市で通訳やっている人、埼玉からワイン仲間。私を入れると総勢12名と驚きの多さ!自分がいちばんビックリした。

病果の影響と夏の小雨による小粒な房のため、当初想定した収量からはかなり減ったものの、細かく手間のかかる作業もどんどん進み、心地良い疲労感で作業を終えることができた。

ご参加いただいた皆さん、本当に心から感謝します。2018も絶対良い白ワインになります。

悪魔のささやき?

耳元で囁きが聞こえてくる。「ちゃんと農薬を使えばいいじゃん」と。

収穫をあさって12日に控え、病気の粒を取り除く「病果取り」の作業を行っている。まぁたくさんあります。酷いものはこんな(↓)だ。

やっぱりボルドー液だけでは白ワイン品種は厳しいね。日に日に果実が減っていく。別に自然派を気取っているわけではないけど、深く優しい味わいのワインができると信じているので。

とはいえ、着実にぶどうの粒が減っていくのは中々辛いもの。そんな時に前述のような声が聞こえてきてちょっと考えることもある。

だって、ごく標準的な農薬を加えるだけで、収穫量が増え→経営も少し楽になるのだもの。手間だって減るから体力の消耗も軽減でき、いいことずくめじゃん。

何事も理想と現実の狭間には、何者かの囁きが飛び交うようです。

復旧作業の一日

活火山の浅間山は別として、自然災害に見舞われることの少ない長野県の東側(東信地域)。特に私の住む岩清水はなかなかのものだ。

それでも、今回の台風21号は「風台風」のためひどい強風で、さすがにちょっと不安だった。停電にもなったし。

今朝は5時半起き(ちょっと寝坊)で畑を見に家を飛び出す。家の前のソーヴィニヨン・ブランは柱が1本倒されていた(直すのに慌てていて写真撮り忘れ)。ちょっと焦りながら真田のヴィンヤードに向かう。いやーひどかった。枝がぐちゃぐちゃ。何本も折れて下垂している。

ぶどうは強風でも房が落とされることは殆ど無い。また、蔓性植物のため枝は柔軟でポキッと折れるケースは少なく曲がり落ちる感じ。芯の組織さえ壊れなければ復活する可能性は高いため致命的なダメージは免れることができると思う。しばらくは観察を続ける。

ワイヤーもガタガタ。何本も枝を直さなきゃで、結局、一日中その復旧作業に追われてしまいました。

まぁ、いいほうだ。

リンゴ農家さんがいちばん大変。一昨年は遅霜、去年は雹、そして今年の台風と、3年連続で被害だ。田んぼの稲もみんな倒れていた。

農業は怖い。自然は怖い。

早めの収穫模様

湿度が高く信州らしくない天候ながら日照量多めの7〜8月で葡萄は良い状態を保っていたが、心配していたとおり、ここにきて雨や曇りが多い。例年より台風が多発しているのも気になる。9月は不安とともに始まった。

昨日でようやく電気柵の設置が完了。草刈りを入念にやる必要があり思いのほか時間がかかってしまった。

シャルドネ。ここからの病気が心配。

メルロは10月中旬まで引っ張れるだろうか?難しいかな?

春の早かった今年は現在も気温高めで推移しどこも例年より収穫が早くなりそう。明日は千曲市の収穫お手伝い。ウチも昨年より10日ほど前倒しで予定しているがどうだろう?

潮目

ここにきて、まるで悪夢のようだった連日の猛暑が終息してきた。夜中には寒くて目が覚め薄手の毛布をひっぱりだした。ここ岩清水は16℃台まで気温が下がったと思われる。

毎年お盆前後を境に気候が変化するけど、今年はとかく有難さが身にしみる。

潮目かな?

夜の温度が下がると安心する。ぶどうにも良いのだ。冷涼なこの地域ならではの成熟曲線が望める。ゆっくりゆっくり成熟してくれる。

昨年よりヴェレーゾン(生長の転換期)が1週間ちょっと早い。

今年は結実不良がやや多いものの、今のところ「そう悪くない」。8月下旬から10月にかけて長雨が無いことを祈るしかないため「順調」と言う表現を使うのは適していない。恐怖心が日増しに芽生えてくるからだ。

ともあれ、真田ヴィンヤードも殿城ヴィンヤードも心地良い風を感じるようになってきた。

熱中できないよ。

暑い。

長野県の最高気温トップは常に飯田市か上田市のようだ。7月に35℃以上の猛暑日になったのが13日(うち11日間連続を含む)。27日〜30日は少し涼しくなったかと思ったら、8月もまた猛暑が続くらしい。

風さえあれば多少は楽なのだが、畑の中は日陰がないので作業もなかなか辛い。気をつけねば。

「マメに休憩、水分補給」。

集中力が自分の得意分野なので、この天候は困る。作業に没頭するとずっとやってしまう。いったん休むとやる気が無くなっちゃうんだよね。

お隣の畑のリンゴの木の下で休憩中。くわばらくわばら。

忙中閑無し

気づいたら1ヶ月以上投稿していなかった。

いろいろあったんだけど、ありすぎて何だか分からないまま時が過ぎていく感じ。

6月20日の白ワイン発売に続き、先週の7月24日には赤ワインをリリース。慣れない小売仕事でバタバタしながらも、人間の都合とは関係無くぶどう樹はこの時期どんどん梢を伸ばし葉を繁らせ果粒が肥大する。こまめな管理は欠かせないし、酷暑での防除もきっちりやらねばならない。なかなか厳しい。

そんな嵐のような1ヶ月半あまりも、とりあえず昨日で一段落。ささやかに祝杯。

11日間続いた35℃以上の炎暑も土曜日の台風到来とともに去っていった。早くも夜はTシャツとパンツだけで寝ていると寒いくらいだ。

暑さのせいか最近3〜4日は疲労感が出て身体が重かったけど、今朝は6時過ぎまで(寝坊)ぐっすり眠れ、なんと睡眠9時間!ちょっと頭と身体が軽くなった。

真田殿城ブラン2017と真田メルロ[樽]2017は、バート・ジャパンで発売する分がまもなく品切れ。有難い限りだ。

8〜10月はいよいよ最終仕上げの時期。1年の集大成だ。栽培家としてはここからが本当の勝負所。春からここまで順調にいっていても何が起こるかわからない。

おそらく気候の流れは変わった。休んでいるヒマはない。意識も新たに臨みましょう。

VART2017 販売開始

6月20日、VART2017ヴィンテージの販売開始です。まずは白ワイン「真田殿城ブラン2017」のみとなります(赤ワインは7月24日)。

今回が初ヴィンテージとなる白ワインは、シャルドネ78.7%、リースリング14.3%、ソーヴィニヨン・ブラン7%を同時に仕込み、もろみ発酵させた逸品。若々しいキリッとした酸味とかすかな甘み、そして豊かなミネラルが絡み合う混醸の妙を味わえます。

生産量はわずか195本。品名にある「殿城(とのしろ)」は、私が住む家の地籍名で、家の目の前にある畑で栽培しているソーヴィニヨン・ブランを示しています。シャルドネとリースリングは真田町産。寒暖差の激しい標高750mの真田ヴィンヤードと標高800mの殿城ヴィンヤード。上田市の新しいテロワール(風土)を感じていただけると嬉しいです。

お求めは、バート・ジャパン及び特約酒販店よりお願いします。

特約酒販店はこちら

直接バート・ジャパンにご連絡をいただいても結構です。ただ、ひとりで運営している代表の長谷川真次は、日中は畑作業で留守にしているため対応が遅くなる場合があります。予めご了承ください。

ようやく。

あれやこれやと用事が頻発しながらも、ここにきてようやく追いついてきた。そうならなければ困る。いよいよ待ったなしだ。毎日ぐんぐん芽が伸びてきている。葉が開いてくる。目が離せなくなる。

畑仕事にGWは無い。逆に、かなり集中できる。はかどる。ぐちゃぐちゃだった頭の中に少しずつ余裕が出てきて、身体にたたき込んだ畑のルーティンが動き出す。

こうなればこっちのもの。常に畑仕事を中心として日々が回り出す。全力シーズンの開始だ。季節に背中を押される感じ。

いったん軸足が定まれば、たとえ忙しくなっても不思議と他の仕事や様々な事々が回り出す。

あとは課題の支柱立てが残るのみ。

5月末から始まる展覧会へ向けた作品づくりも、もうひと息だ。