神の正体

どうやら「人類の危機」と捉えたほうが良さそうな状況になりつつある。

いち庶民である自分が歴史に照らして分かった風なことを言える立場ではないが、今回の新型コロナウイルスのパンデミックは「何となく」14世紀に欧州で大流行し16〜17世紀まで繰り返し発生し続けたペストの世界的な大流行に重なって見える。感染拡大が「人と物の移動」によってあてどなく広がり続けるという印象。

15世紀頃の大航海時代に革命的ともいえる進化を遂げた当時の欧州は、当然のように「もっと、もっと」という流れが生まれ、東南アジア、南太平洋、アメリカ大陸の侵略・征服が繰り返された。(現代と同じ経済的な欲望)

それによりヨーロッパ人が世界規模で海洋を縦横に行き来し病原菌をばらまいた印象がある。歴史書の中では南米のインカ帝国はスペインとの戦役による死者より疫病の被害者が多く、また、多くの地域で疫病により先住民族や部族が消滅したという説を目にする。

いまや中国が世界経済の主役であることは間違い無い。皮肉なことにその中心地が今回の新型コロナウイルスの発生源(恐ろしいことに他者のせいにしようとしている)となっている。そして、交通網の発達は目を見張るばかりで、あっという間に世界中に感染が拡大する。

中世の大航海時代は、おそらく勝者による支配が肯定され続けたろう。そこに疫病が蔓延する。漏れ落ちた人々(敗者)の精神的苦痛は、ひょっとしたら現代と近いものがあるのではないか?

追い詰められた人々は救いを求め祈ることしかできない。

大航海時代は、疫病と布教の歴史に重なる。

細菌は地球誕生と同時に存在しているようだ。そして超高温だろうが無酸素だろうが絶えず変容しながら数十億年単位で生息し続け増減を繰り返す。

地球上のあらゆる生物は菌と共に生きている。

信心深い方々には申し訳ない表現かもしれないが、ひょっとしたら菌こそが神の正体なのかもしれないと、近ごろ思いを巡らせている。

姿は見えない。だけど、すべての生物は菌の支配下にある。

しょせんは人間も菌しだい。

身体の内でも外でも絶えず活動しつづける菌たちの環境を整えることがまず第一なのだ。

だからこそ、自然界の環境を保たなきゃ。人間がコントロールできると思ったら大間違いだ。

農作物も、ぶどうも、ワインも。

菌を怒らせてはダメだ。