まずは白ワイン品種から

いつも通りの言い訳だけど、バタバタしていたらまたしてもブログ投稿が1ヶ月ぶりとなってしまった。

次回メルロの収穫に向けてすぐに作業を始めるけど、とりあえず白ワイン品種の収穫が終わったので、緊張感を保ちつつも少しだけ精神面で開放感が生まれた(身体は悲鳴をあげている)。

今回は知人に教えて貰った冷蔵倉庫を借りることで、これまで必死に1日で終わらせていた収穫を、2回に分けて行うことが出来た。

最初は自宅前の殿城ヴィンヤード。ソーヴィニヨン・ブランと若木のシャルドネ。数は少ないし、ここは病気が少ないのでひとりでこつこつ行った。

14日(月)が本番。真田ヴィンヤードのシャルドネとリースリング。10名もお手伝いに来ていただきました。皆様に改めて感謝。

S氏撮影。画像をご提供いただきました。ありがとう。

昨年比32%減。手元で計った限りでは総収量423kgでした。

昨日15日は委託醸造先のVinVieさんへ持ち込み。前回までとワイナリーは変わりますが、醸造家は同じ竹村氏。これまでの流れもしっかり把握しているし、まだ経験不足の私の意見も真摯に聞いてくれるので、100%安心できるパートナーです。

さっそく仕込んでくれた。

写真提供:VinVie

もちろん今回も混醸。シャルドネ74.9%、リースリング12.7%、ソーヴィニヨン・ブラン12.6%となった。

そして醸し発酵をします。

今回は意図的に早く摘みました。

白ワインはやはり酸が欲しい。そしてこの1週間の酸落ちが速かった。pHもどんどん高くなっていた。

加えて、晩腐病が出始めて、その広がりも早まっていた。

選果でどんどん収量が減る中での糖度の上昇を待つリスクにびびる。

病原菌の混入割合が大きくなることによるもろみへの影響が怖い。

まだ知識不足ながらも少しは繊細な判断をできるようになってきたため、かえって臆病になっている。

実際に収穫をしていると、熟しきれていない実も多かった。そのため、仕込み時の糖度はかなり低いので補糖を行う。

ただ、最近は収穫時にいちばん重視しているpHが思っていた以上に低かったため、亜硫酸を減らすことができるとの報告をいただいた。

7月の致命的な長雨で、今年は有機農薬のみでの栽培が不可能となったが、亜硫酸を少なくできることは朗報であり、早摘みをしたのは正解だったと思われる。

白の2020年はこれまでと少し異なる個性となるだろう。この先も試行錯誤は続くが、今年は栽培家としてもターニングポイントとなるかもしれない。

来たな、ハクさん!

ついに登場した。ハクビシン。

家の前のシャルドネが喰われはじめた。

地面から1mぐらい上の場所、結果母枝の近くが食べられている。幹や柱を登った近くの実だ。軽々とつたってくるんだろう。

つまり食べ頃が近づいているということで、白品種の果汁分析を始めた。

糖度13.6〜14.9。熟しが早いのはおそらく17ぐらいまでいっていると思うけど、逆に遅いのはもっと低い。個体差が大きい。

分析は全体の平均値で測定するので、まだまだ。

昨日の上田市は32.5℃。しっかり晴れて気温が上がった。この先も1週間は続きそうなので、収穫日を決めるのは来週か。

いずれにしろ、早くて22・23日、順当で25・26日、引っ張って28・29日ぐらいと想定する。

センシティブ。

ブレイクスルー前夜

数日前から虫の声が変わってきた。

日中に30℃を超える日も徐々に少なくなり、おととい辺りからは朝晩が寒く感じる。早くも長袖の出番だ。

ぶどうも成熟に向かって少しずつ進んでいる。夜温が下がるのもいい。

この時期、糖分の増加とともに群がる虫たちがいる。ブドウトリバ(前項の写真)。特にシャルドネは深刻で、日々被害果が増え続けてツライ。毎年この時期を迎えると「来年は殺虫剤をまこうか、、、」と気持ちが揺れ動く。

先週は大雨が5日間も続き、園内も再び湿度が滞り、シャルドネに2016年以来うどんこ病が発症。これは躊躇なく作用性のある殺菌剤をほどこす。残念だが。

昨日までチェックした限りでは周辺に広まっていない様子。

毎年この頃から頭の中はぶどうの事でいっぱいになる。病気、害虫、獣対策、成熟の進み具合、収量のこと、収穫のこと。正直ピリピリしているのが自分でもわかる。

でも、だからこそ、真摯に、純粋に栽培に向かう気持ちが噴出してくる。そこからまた、やりたい方向性が見えてくる。

こんな中、「越えそうな」感覚がある。

自分の栽培方法。

やっぱり有機、それも、より自然に寄り添った栽培で。

栽培を始めて6年目。そろそろ研修期間を終えよう。自立の時だ。自我が目覚めてきた。自分らしい農法を進める。

改めて勉強を始めよう。これまでの実践・経験を活かしながら。