湿度が高い梅雨時はワインぶどうの天敵だ。嫌になる。
とはいえ、朝から雨が降っている今日は、とりあえず午前中は身体に休息を与えることもできる。
くさくさ心配するより、頭を切り換えリラックスしよう。と、再開ブログ2投稿目。
ワインとアート
湿度が高い梅雨時はワインぶどうの天敵だ。嫌になる。
とはいえ、朝から雨が降っている今日は、とりあえず午前中は身体に休息を与えることもできる。
くさくさ心配するより、頭を切り換えリラックスしよう。と、再開ブログ2投稿目。
昨日シャルドネを終えて、これですべての剪定作業が終了し、ひと段落。
剪定を学び始めた頃は、結果母枝とか、新梢とか、長梢とか短梢とか、ギヨとかコルドンとか、ダブルかシングルか・・・等々聞いたこともない言葉と理論ばかりが押し寄せてきて訳が分からなかった。
もちろん、基礎となる知識や技術は必要だけど、何年か経験を積むと「樹を見ろ」というところがキモだなぁと感じる。
4年目ごろからようやくそのあたりの感覚を掴むと、いまでは剪定作業がいちばん魅力的だと言い切れる。
想像と妄想という、自分が好む時間を過ごせるのだ。
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少しだけ体力も上向いてきた。
この先、剪定枝の片付けや整理、新しい圃場の伐採や整地、トレリスの修繕、苗の準備、苗植え等々、3〜4月までやることはたくさんある。
まだあとひと月ほどは厳しい寒さが続くだろうけど、スイッチは入った。
VARTの赤ワイン「真田メルロ2019[樽]」本日より販売開始です。
3,200円(税込)、750ml、生産量630本
上田市真田町産のメルロ100%。2019年は高温多湿が続き病害虫に悩まされた年でしたが、9月〜10月初旬には天候が安定し良く熟しました。
醸造は東御市のcave hatano。フレンチオーク古樽12ヶ月熟成の鮮やかな濃いルビー色が魅力的で、瑞々しい黒系ベリーの甘い香りや、クローブなどのスパイス、土やキノコのニュアンスが楽しめるでしょう。
味わいはまろやかながら、口に含むとすぐにしっかりしたタンニンが感じられ、時間と共に甘い果実味が現れます。
鹿や鴨肉のフルーツを使ったソースといったフランス料理のメインディッシュや、熟成したゴーダやウォッシュタイプのチーズとの相性はもちろん、鶏モモ肉の竜田揚げ、豚肉の生姜焼、筑前煮といった醤油を使った普段のお食事にもよく合います。
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メルロは4回目のヴィンテージ。これまでも順調に目指す方向性に進んでいたが、個人的にはこの2019は「驚くほど美味しい!」とまで言いきれる。瓶詰め後2ヶ月目に試飲した時は感動してしまい「自分で買い占めたい」とまで思った。
もちろん、醸造していただいている波田野氏の丁寧な造りによるところが大きいものの、改めて土壌と気候がメルロにピタリ合っているなぁ、という印象。
スタートして6年経つ多様性を活かした草生栽培と、有機農薬による栽培が間違っていない感触がある。(有機栽培の難しさ、限界、体力的な厳しさも見えてきたが・・・)
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日本ワインにしては重めの濃いワインですが、嗜好が合いそうでしたらおすすめしたい1本です。購入店は限られていますが、ご興味がありましたらオンラインショップを覗いてみてください。
昨日は委託醸造をお願いしているVinVieさんに行ってきた。
目的の一つが2020シードル用リンゴの搬入。
そしてもうひとつが、真田殿城ブラン2020の今を自分の目で見ておくこと。こっちの方が気持ちは勝っていたけど。
そして、2つの驚き。
ひとつは、既にボトリングが済んでいて、そのまま熟成を行うとのこと。
おそらく、ひととおりの醸造工程を経てすぐにボトリングを行えばその後の品質管理も容易なのだろう。酸化リスクも最小限で済む(コルク栓で極々微量の呼吸はある)。白ワインはこういう方法もありなのか、と勉強になった。
そして2つめ。
事前にS氏に画像を送っていただき見ていたが、実際にその色に触れてみて「おぉ〜!」と、つい声を出してしまった。
オレンジだ。
決してオレンジワインを目指しているのではない。醸しの白ワインが持つタンニンや厚みが好きなのだ。が、正直ワクワクしてしまった。色に。
「オレンジワイン」という表現は好まない。でも、好きな色なんだよな、オレンジ。
50代後半〜60代以上のサッカーファンなら共有できるだろうか?オレンジは革命の色なんだ(個人的イメージ)。
オランダサッカーの衝撃。クライフの色。
そういえば、横浜でシニアサッカーをやっていたときのチームのカラーもオレンジだったなぁ。いい色だ。
醸造家の説明では香りも豊かだという。チェック用に1本・・・と言われたが、なんか、イケナイような気分になってしまった。大切に仕舞っておきたくなり辞退した。
半年以上は、待ちます。
若い頃から、被写体側になるのがどうも苦手で。裏方が好きなんだ。
とはいえ、コロナ禍による経済への影響は深刻。飲食店の苦境。そして同舟となる酒販店さんの苦境に心が痛んだ。
全く無名のバートのワインを扱っていただいている酒販店さんのことを思うと、もはや今までのスタンスを続けることは単なる我が儘としか思えなくなっていた。
自分が露出を増やすことにより、取引先の売上に少しでも貢献できるのなら、と思い地元のケーブルテレビUCVの取材を受けることにした。
正直、居心地悪い。気恥ずかしい。
UCV(上田ケーブルビジョン)のHPです。
ちなみに、10月28日夕方のNHKニュースでも紹介していただきました(長野のローカル枠)。
昨日は「全国山城サミット上田・坂城大会」が主催する、山城ガイドツアーの真田コースに参加してきました。
楽しかった。※コロナ禍なので仕方ないのだが山歩きにはマスクがキツイ。
場所は、戦国好きには有名な「砥石・米山城跡」です。
山容はこんな感じ。毎日見ている。
歴史上の詳細は長くなるし専門家でもないし特別なマニアでもないので省くが、真田家にとってターンイングポイントとなった拠点であり、武田信玄ファンにとっても記憶に残る山城だ(ディープな歴史ファンには村上義清で知られる)。
主郭の見晴らしは絶景。往時は木々が伐採されていたからなおさらだろう。
おどろいたのは、500年近くも昔の構造が色濃く遺っていて妄想がしやすいこと。これはハマる。
曲輪(くるわ)とよばれる遺構がひじょうに良く遺っているし、この山城は特に圧巻の規模だった。
時代は異なるが、幕末好きにお馴染みの佐久間象山が学問のために通った道も遺っている。
もっと写真は撮ったけど、きりがないのでこの辺で。
で、なんと言っても嬉しかったのは、この山城群の北側にある枡形からの眺め。眼下に真田の郷が一望でき、なんとウチの真田ヴィンヤードが丸見えなのだ。
で、改めて城跡を調べてみたら、畑の周囲は山城だらけだった!
これはおもしろい。
なんとなく知ってはいたけど、これほどとは思わなかった。北は越後勢、東は上野(こうずけ)勢、南は甲斐勢。それらの勢力が常にこの地を抑えたかったほどの要衝だったという。戦国期のスクランブル交差点。
ちなみに、なぜ西からはこなかったかというと、大河の千曲川があったからのようだ。昔は水量がずっと多く、常に洪水に見舞われていたため、自然の要害となっていたのでしょう。
そんな事情もあり、往来は北・東・南からの山越えが常識だったようで、真田地域は峠越えの街道が合わさる地域だったみたい。
何はともあれ、畑の周りも面白そうだ。
ワインショップ・バートは、土・日・祝日のみ営業していますが、今日31日(土)は臨時休業とさせていただきます。
真田町の周辺には戦国期の山城が多く遺っていますが、ウチのすぐ近くにも「砥石・米山城跡」という旧跡があり、そこを核とした「山城ガイドツアー」に参加するためです。
近ごろ、城ブームだそうで、なかでも往時の面影がイメージできる山城がマニアに受けているらしく「全国山城サミット」なるものが各地で開催され、今回はその第27回とのこと。
へぇ〜、っていう驚きと共に興味をそそられてしまった。
なにせ、正真正銘VARTのお膝元だし、すべての畑から周囲を見上げれば山城だらけだもの。
20代中頃に池波正太郎氏の「真田太平記」で真田を知ってから40年弱。小説とはいえ、真田昌幸が見せてくれた「マイノリティの美学」は、間違い無く自分の精神に影響を与えてくれた。
偶然のつながりかもしれないけど、真田町でワインぶどうを栽培することになった自分。いまいちど真田ワールドに浸かってみようかと思う。
という訳で、申し訳ありませんが本日はお休みです。
※11月1日(日)、3日(火・祝)は通常営業です。ご来店お待ちしております。
いつも通りの言い訳だけど、バタバタしていたらまたしてもブログ投稿が1ヶ月ぶりとなってしまった。
次回メルロの収穫に向けてすぐに作業を始めるけど、とりあえず白ワイン品種の収穫が終わったので、緊張感を保ちつつも少しだけ精神面で開放感が生まれた(身体は悲鳴をあげている)。
今回は知人に教えて貰った冷蔵倉庫を借りることで、これまで必死に1日で終わらせていた収穫を、2回に分けて行うことが出来た。
最初は自宅前の殿城ヴィンヤード。ソーヴィニヨン・ブランと若木のシャルドネ。数は少ないし、ここは病気が少ないのでひとりでこつこつ行った。
14日(月)が本番。真田ヴィンヤードのシャルドネとリースリング。10名もお手伝いに来ていただきました。皆様に改めて感謝。
昨年比32%減。手元で計った限りでは総収量423kgでした。
昨日15日は委託醸造先のVinVieさんへ持ち込み。前回までとワイナリーは変わりますが、醸造家は同じ竹村氏。これまでの流れもしっかり把握しているし、まだ経験不足の私の意見も真摯に聞いてくれるので、100%安心できるパートナーです。
さっそく仕込んでくれた。
もちろん今回も混醸。シャルドネ74.9%、リースリング12.7%、ソーヴィニヨン・ブラン12.6%となった。
そして醸し発酵をします。
今回は意図的に早く摘みました。
白ワインはやはり酸が欲しい。そしてこの1週間の酸落ちが速かった。pHもどんどん高くなっていた。
加えて、晩腐病が出始めて、その広がりも早まっていた。
選果でどんどん収量が減る中での糖度の上昇を待つリスクにびびる。
病原菌の混入割合が大きくなることによるもろみへの影響が怖い。
まだ知識不足ながらも少しは繊細な判断をできるようになってきたため、かえって臆病になっている。
実際に収穫をしていると、熟しきれていない実も多かった。そのため、仕込み時の糖度はかなり低いので補糖を行う。
ただ、最近は収穫時にいちばん重視しているpHが思っていた以上に低かったため、亜硫酸を減らすことができるとの報告をいただいた。
7月の致命的な長雨で、今年は有機農薬のみでの栽培が不可能となったが、亜硫酸を少なくできることは朗報であり、早摘みをしたのは正解だったと思われる。
白の2020年はこれまでと少し異なる個性となるだろう。この先も試行錯誤は続くが、今年は栽培家としてもターニングポイントとなるかもしれない。
ときどき聞かれるので、今月上旬に発売した、真田殿城ブラン2019と真田シードル2019のエチケット(ラベル)の絵について。
真田殿城ブラン2019の絵のタイトルは「感情交差点」。2017年に、軽井沢のギャラリーでのグループ展に誘われたときに描いたもの。
予め「軽井沢をテーマに」というリクエストがあったので、旧軽井沢の「六本辻」という交差点がありそこをモチーフに描いた。
ここは「ラウンドアバウト」と呼ばれる方式のヨーロッパでよくみかける環状になった交差点で、雰囲気が好き。
ラウンドアバウトには信号が無く、様々な人々が、各々の判断で行き交う。その判断は個々に委ねられ、安全もリスクも自分で決める。
誰かに強制されないし、何かに制御されてもいない。
自由がある。
人々の交流もそうあって欲しい。
各々の感情もそうあって欲しい。
*
真田シードル2019の絵は単純明快。リンゴの花です。
4月下旬から5月上旬にかけ、信州のあちこちの畑でリンゴの花が満開になる。
ちょうど「シードルのラベルデザインはどうしようかなぁ」と思案していた頃、ふいにお隣のリンゴ畑が目にはいり、「これでいいじゃん!」と素直に、そして一気に描いたもの。
迷わず、勢いで描いたのが功を奏したか、植物が持つ開花期のエネルギーや、この季節の澄んだ空気感を出せたと思う。
昨日、2019の白ワインとシードルをリリースしたけど、それに向けての準備がいろいろあるので、ここ10日間ほどは忙しかった。
大変ですね、小売というビジネスは。
長年、身体を張って(?)死ぬほど仕事をしてきたけど、基本はB to B。つまり企業を相手にする仕事。世間にほとんど顔を見せない、いわば裏方。これがまた、性に合っていた。
「人の宣伝、プロモーション」は割と得意だけど、自分のこととなると案外わからないもので、なかなか難しい。
それに、「あれをやった方が良い、これもオモシロイ」とか、アイデアだけは絶えず出てくるので、これまでは「他の人がやる仕事」だから気軽に提案できたようなもので、これも、いざ自分のこととなると、その大変さが身にしみる。
とはいえ、いまやワインを販売しないと。いわばこれが本業。
でも本分は栽培。自然は待ってくれない。
元気なシャルドネは早くもワイヤーのいちばん上に手を伸ばし掛けている。息切れしている場合じゃぁないのだ。