絵音

カッタン、っていう感じ。

昨夕、来年7月に東京で開催される展覧会へのお誘いがあった。その時の心の音。

昨日は雨予報でもあり、疲労回復のためにも一日中家に閉じこもっていた。そして、ずっとスランプ気味だった創作のエンジンをどうにかして回転させようともがいてもいた。例年なら、収穫が終わると自然と頭と気持ちはアート方面に向くのが、今年はどうも上手くいかないのだ。

ひとつは、コロナ禍で個展を中止にした影響だろう。ちょうど明後日23日(月)から28日(土)まで銀座のギャラリーQで開催する予定だったので、本来なら今ごろはピリピリしていたはずだ。

もうひとつは、ぶどう栽培のことが頭から離れない。すでに来シーズン以降に向けた思考が駆け巡っている。

ともあれ、スイッチは入った。描きたいことはいっぱいある。まずは筆を動かそう。血が騒ぎ出してきた。アートの血が流れる音だ。

まずは幼子から

昨日から冬支度のスタート。

恒例のわら巻き作業の開始です。

まずはこの春に定植した苗木のシャルドネから。

村中の目立つ畑にて。

冬支度なんだけど、汗をかくほど暖かくて変な感じ。とはいえ、標高800mの地は急に寒くなるとハンパじゃないから幼木は早めにやっておかなきゃ。

立ったりしゃがんだりの繰り返しで足腰が疲れる。

藁で手がガサガサになるので手袋をつけたり、ひもを結ぶのに外したり。なんだかんだで手間がかかります。

年内に終わるかな?

オレンジの誘惑

昨日は委託醸造をお願いしているVinVieさんに行ってきた。

目的の一つが2020シードル用リンゴの搬入。

そしてもうひとつが、真田殿城ブラン2020の今を自分の目で見ておくこと。こっちの方が気持ちは勝っていたけど。

そして、2つの驚き。

ひとつは、既にボトリングが済んでいて、そのまま熟成を行うとのこと。

おそらく、ひととおりの醸造工程を経てすぐにボトリングを行えばその後の品質管理も容易なのだろう。酸化リスクも最小限で済む(コルク栓で極々微量の呼吸はある)。白ワインはこういう方法もありなのか、と勉強になった。

そして2つめ。

事前にS氏に画像を送っていただき見ていたが、実際にその色に触れてみて「おぉ〜!」と、つい声を出してしまった。

オレンジだ。

決してオレンジワインを目指しているのではない。醸しの白ワインが持つタンニンや厚みが好きなのだ。が、正直ワクワクしてしまった。色に。

昨日撮った写真。肉眼ではもう少しオレンジぽかった。

「オレンジワイン」という表現は好まない。でも、好きな色なんだよな、オレンジ。

50代後半〜60代以上のサッカーファンなら共有できるだろうか?オレンジは革命の色なんだ(個人的イメージ)。

オランダサッカーの衝撃。クライフの色。

そういえば、横浜でシニアサッカーをやっていたときのチームのカラーもオレンジだったなぁ。いい色だ。

そもそもチーム名が「バッカス」とは。あからさまに酒好きのチーム。

醸造家の説明では香りも豊かだという。チェック用に1本・・・と言われたが、なんか、イケナイような気分になってしまった。大切に仕舞っておきたくなり辞退した。

半年以上は、待ちます。

メディア初登場?

若い頃から、被写体側になるのがどうも苦手で。裏方が好きなんだ。

とはいえ、コロナ禍による経済への影響は深刻。飲食店の苦境。そして同舟となる酒販店さんの苦境に心が痛んだ。

全く無名のバートのワインを扱っていただいている酒販店さんのことを思うと、もはや今までのスタンスを続けることは単なる我が儘としか思えなくなっていた。

自分が露出を増やすことにより、取引先の売上に少しでも貢献できるのなら、と思い地元のケーブルテレビUCVの取材を受けることにした。

正直、居心地悪い。気恥ずかしい。

UCV(上田ケーブルビジョン)のHPです。

ちなみに、10月28日夕方のNHKニュースでも紹介していただきました(長野のローカル枠)。

畑の周りは城だらけ。

昨日は「全国山城サミット上田・坂城大会」が主催する、山城ガイドツアーの真田コースに参加してきました。

楽しかった。※コロナ禍なので仕方ないのだが山歩きにはマスクがキツイ。

場所は、戦国好きには有名な「砥石・米山城跡」です。

山容はこんな感じ。毎日見ている。

昨年5月の写真。背後の山容すべてが山城となる。

歴史上の詳細は長くなるし専門家でもないし特別なマニアでもないので省くが、真田家にとってターンイングポイントとなった拠点であり、武田信玄ファンにとっても記憶に残る山城だ(ディープな歴史ファンには村上義清で知られる)。

主郭の見晴らしは絶景。往時は木々が伐採されていたからなおさらだろう。

おどろいたのは、500年近くも昔の構造が色濃く遺っていて妄想がしやすいこと。これはハマる。

当時は石垣はほぼ無く殆どが土塁なのでこれは珍しい。

曲輪(くるわ)とよばれる遺構がひじょうに良く遺っているし、この山城は特に圧巻の規模だった。

時代は異なるが、幕末好きにお馴染みの佐久間象山が学問のために通った道も遺っている。

もっと写真は撮ったけど、きりがないのでこの辺で。

で、なんと言っても嬉しかったのは、この山城群の北側にある枡形からの眺め。眼下に真田の郷が一望でき、なんとウチの真田ヴィンヤードが丸見えなのだ。

黄色い○が畑の場所。陽あたりいい。

で、改めて城跡を調べてみたら、畑の周囲は山城だらけだった!

これはおもしろい。

なんとなく知ってはいたけど、これほどとは思わなかった。北は越後勢、東は上野(こうずけ)勢、南は甲斐勢。それらの勢力が常にこの地を抑えたかったほどの要衝だったという。戦国期のスクランブル交差点。

ちなみに、なぜ西からはこなかったかというと、大河の千曲川があったからのようだ。昔は水量がずっと多く、常に洪水に見舞われていたため、自然の要害となっていたのでしょう。

そんな事情もあり、往来は北・東・南からの山越えが常識だったようで、真田地域は峠越えの街道が合わさる地域だったみたい。

何はともあれ、畑の周りも面白そうだ。

本日、臨時休業。

ワインショップ・バートは、土・日・祝日のみ営業していますが、今日31日(土)は臨時休業とさせていただきます。

真田町の周辺には戦国期の山城が多く遺っていますが、ウチのすぐ近くにも「砥石・米山城跡」という旧跡があり、そこを核とした「山城ガイドツアー」に参加するためです。

近ごろ、城ブームだそうで、なかでも往時の面影がイメージできる山城がマニアに受けているらしく「全国山城サミット」なるものが各地で開催され、今回はその第27回とのこと。

へぇ〜、っていう驚きと共に興味をそそられてしまった。

なにせ、正真正銘VARTのお膝元だし、すべての畑から周囲を見上げれば山城だらけだもの。

20代中頃に池波正太郎氏の「真田太平記」で真田を知ってから40年弱。小説とはいえ、真田昌幸が見せてくれた「マイノリティの美学」は、間違い無く自分の精神に影響を与えてくれた。

偶然のつながりかもしれないけど、真田町でワインぶどうを栽培することになった自分。いまいちど真田ワールドに浸かってみようかと思う。

という訳で、申し訳ありませんが本日はお休みです。

※11月1日(日)、3日(火・祝)は通常営業です。ご来店お待ちしております。

ワインのあけぼの

先週の収穫でとりのこしたメルロの病果を取り除く作業をしているが、ちっとも進まない。邪魔者がたくさんいて作業を阻むのだ。スズメバチ、怖いです。

収穫したメルロは、いまは順調に発酵してます。発酵している様子を見るのはいつもながら楽しい。手足をばたつかせたり泣き叫んだりキャッキャ笑ったりと、何をしてもカワイイ赤ちゃんのようだ。

昨日はcave hatanoにて瓶詰め作業があり、メルロ2019のリリース準備もそろそろ始まる。2〜5ヶ月ほど瓶で寝かせる。

そして、昨日は白ワインの醸造をお願いしているVinVieさんから画像が届いた。瓶内で熟成させているけど、なんとも美しい色だ。Sさん、いつもありがとう。

シズル感! おいしそう! @VinVie:S氏

画像を見た瞬間、飲みたい!と思ってしまった。これは現物を見に行かねば。お出かけの口実ができた(笑)。

惨憺たる状況の収穫が終わって1週間。鬱々とした気分が、少しずつ晴れてきた。前向きになってきた。ぶどう達は、ちゃんとワインとして次の生命へと受け継がれ、見守られ、飛び立とうとしている。ぶどう達の育ての親としては、そうそうのんびりとしてもいられない。

がんばりましょう。

もやもや2020

振り返るにはまだ早い。あと3ヶ月ある。

が、2020年が後々まで記憶に残る一年になることは容易に想像できる。あまりにも色々な事がありすぎた。社会は言うに及ばず、栽培も。

昨日は赤ワイン品種のメルロを収穫。これで全てのぶどうをとり終えた。まだまだ作業は続くものの、とりあえず苛酷な栽培シーズンは終了。

いつもなら「終わった〜」と、しばし開放感に浸れる。

しかし収穫が終わった瞬間さえも全く達成感がなく、虚ろな気分だけが漂っていた。

様々な思いが頭を駆け巡る。もやもやしている。

写真を撮っていない。忘れた、というより、そんな気分じゃなかった。

来週、2021年シーズンに向けての新しい作業を行う。

もやもやを吹き飛ばすことができるか。すべては事前準備にかかっている。

伊那路

先日、委託醸造をお願いしているワイナリーVinVieさんへ使用済みのコンテナを引き取りに行ってきた。

上田市からは片道2〜3時間もかかるためちょっとした旅気分でもある。とはいえ、これがまたいいのだ。さすがに年相応に長時間ドライブは厳しくなったが、それでもクルマで出掛けるのはいくつになっても楽しみのひとつなので、遠路とはいえ用事ができると喜んで行ってしまう。

もうひとつ、いまは発酵途中なのでマスト(もろみ)の状態が見られることも楽しみだった。よしよし。すくすく育っている我が子を見ている気分。

今回は500Lの発酵タンク。もっと大きいのが“必要になる”ぐらい収量だったらなぁ。

ぴかぴかの新品です。

昨日はVinVieさんから画像を送っていただいた。白ワインの果帽(もろみの上に浮かぶ果肉や果皮、種のかたまり)です。孫(?)の写真が送られてきたような気分。

写真提供:VinVie・S氏

良い気分で帰路に。帰りは高速道路を使わずのんびり伊那路をドライブ。あいにくの天候だったものの、国道と並行に伸びる山沿いの道は素晴らしい車窓が続く。特に今の時期は、稲刈り間近の田んぼの黄色と蕎麦の花の白が幾重にも広がる景観が実に気持ちいい。

これは15日に撮影したもの。

上田と伊那の間にある諏訪湖沿いの岡谷市、ここにお気に入りの小さな美術館がある。「イルフ童画館」。帰り道に立ち寄るのにちょうど良い。

大正末期から亡くなる昭和五十年代まで童画家として活躍した岡谷市出身のアーティスト・武井武雄の美術館だ。

芸術関係に詳しい人はともかく、一般的にはほぼ無名なのではないか?

長野県に来た当初、可能な限りあちこちの美術館に出掛けたけど、そのとき「発見」したひとりだ。まったく知らなかった。

とにかくアイデアが凄い。無尽蔵。色づかい、構図、デッサン力、そのどれもが極めて個性的で完成度が高い。

童画家と称しているが、私個人としては「グラフィックデザイナー」と呼びたい。全く個人的な意見だが、トミ・ウンゲラー、ミルトン・グレイサーと並ぶ三大巨匠だ。

長くなるのでこの辺でやめておく。武井武雄。また観に行こう。

充実の伊那路でした。

まずは白ワイン品種から

いつも通りの言い訳だけど、バタバタしていたらまたしてもブログ投稿が1ヶ月ぶりとなってしまった。

次回メルロの収穫に向けてすぐに作業を始めるけど、とりあえず白ワイン品種の収穫が終わったので、緊張感を保ちつつも少しだけ精神面で開放感が生まれた(身体は悲鳴をあげている)。

今回は知人に教えて貰った冷蔵倉庫を借りることで、これまで必死に1日で終わらせていた収穫を、2回に分けて行うことが出来た。

最初は自宅前の殿城ヴィンヤード。ソーヴィニヨン・ブランと若木のシャルドネ。数は少ないし、ここは病気が少ないのでひとりでこつこつ行った。

14日(月)が本番。真田ヴィンヤードのシャルドネとリースリング。10名もお手伝いに来ていただきました。皆様に改めて感謝。

S氏撮影。画像をご提供いただきました。ありがとう。

昨年比32%減。手元で計った限りでは総収量423kgでした。

昨日15日は委託醸造先のVinVieさんへ持ち込み。前回までとワイナリーは変わりますが、醸造家は同じ竹村氏。これまでの流れもしっかり把握しているし、まだ経験不足の私の意見も真摯に聞いてくれるので、100%安心できるパートナーです。

さっそく仕込んでくれた。

写真提供:VinVie

もちろん今回も混醸。シャルドネ74.9%、リースリング12.7%、ソーヴィニヨン・ブラン12.6%となった。

そして醸し発酵をします。

今回は意図的に早く摘みました。

白ワインはやはり酸が欲しい。そしてこの1週間の酸落ちが速かった。pHもどんどん高くなっていた。

加えて、晩腐病が出始めて、その広がりも早まっていた。

選果でどんどん収量が減る中での糖度の上昇を待つリスクにびびる。

病原菌の混入割合が大きくなることによるもろみへの影響が怖い。

まだ知識不足ながらも少しは繊細な判断をできるようになってきたため、かえって臆病になっている。

実際に収穫をしていると、熟しきれていない実も多かった。そのため、仕込み時の糖度はかなり低いので補糖を行う。

ただ、最近は収穫時にいちばん重視しているpHが思っていた以上に低かったため、亜硫酸を減らすことができるとの報告をいただいた。

7月の致命的な長雨で、今年は有機農薬のみでの栽培が不可能となったが、亜硫酸を少なくできることは朗報であり、早摘みをしたのは正解だったと思われる。

白の2020年はこれまでと少し異なる個性となるだろう。この先も試行錯誤は続くが、今年は栽培家としてもターニングポイントとなるかもしれない。