応援・水尾

災害が起こる度に思う。

「行けない」。日々を過ごすことで精一杯の人間には、もどかしさばかりが残る。報道などでボランティアの映像に触れる度に。

言い訳だとは分かっている。そう言い聞かせる自分が嫌になる。

そんな矛盾だらけの心を、わずかに鎮められる行為があるとしたら、こんなことぐらいか。

長野県の北部、飯山市では千曲川に注ぐ小さな支流が氾濫。狭隘な平地に広がる市街地が浸水した。駅の近くにある「田中屋酒造店」も被害に遭い、酒蔵が浸水した。酒造りが始まったばかりだ。蔵の中に長い年月棲みついているであろう菌たちはどうしただろう?

名品だと思う。「水尾」。心配だ。

購入することしかできない。これとて、しょせんは自己満足なのだが。

再び慌ただしく

台風19号は驚くほど広範囲にその爪痕を残していった。比較的自然災害が少ない上田市や東御市、佐久市をはじめとした東信地域も、今回は千曲川上流とその支流での膨大な降雨量による被害が発生し、その勢いは下流域まで飲み込んだ。

幸い私の住む集落に土砂災害などの被害は無かった。とはいえその暴風は農作物への被害を確実に与えていく。

ウチの場合、ぶどうの垣根があり、台風がくるとこれが心配のタネとなる。収穫期を終えたとはいえまだまだ葉はよく繁り、風の抵抗もたっぷり受ける。そして家の前の畑は風がよく吹き抜けるせいでもろにその影響が出る。

倒されました。ソーヴィニヨン・ブランが4列、メルローが1列、合計5列で垣根の隅の柱が引っこ抜かれて倒れていた。

こつこつ直しました。

真田ヴィンヤードには何も被害が無くてひと安心。

なんだかまた忙しくなってきた。というか、個展が目前!まだまだ気を抜けないぞ。

心配と安堵と疲労と

台風19号、関東に上陸するようだ。故郷の藤沢が心配。横浜は大丈夫か。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城。それぞれに友人知人がいる。見守るしかない。引きこもろう。

台風への備えでスケジュールが大幅に変わった。

結果、大正解。

9・10日に行ったメルローの収穫。少数ながら強力なサポートをいただき何とか終えることができた。病気の多い収穫で大変だったけど、皆さんの温かい気持ちが感じられた2日間でした。

前年比約30%の収量減。目標には遠く及ばなかったけど「安堵」という言葉が素直に出てくる。

もし台風後に収穫をしていたら、病気は更に広がり大打撃を受けた可能性がある。その意味でも、このタイミングで収穫できたのは大きい。「収穫をいつ行うか。」改めてその判断の難しさ、決断力の大切さを思い知った。

いつもは全体のマネージングをしながら要所で収穫したり、ボランティアの方々に声をかけたり、という感じなんだけど、今回は自身が必死に作業しなければ追いつかなかった。また傾斜のある畑を急ぎ足で動き回るから、もうヘトヘト。※収穫中の写真はゼロ。撮る余裕がぜんぜん無かった。

15kg以上あるコンテナを何個も持って動くとハァハァ、ゼイゼイ、フラフラ。このときばかりは年齢を感じてしまった。今朝もまだ全身筋肉痛だ。

台風は心配。でも今回ばかりは、激しい雨音をBGMに一日じゅう温和しく家で静養します。