楽しきかな剪定

昨日シャルドネを終えて、これですべての剪定作業が終了し、ひと段落。

剪定を学び始めた頃は、結果母枝とか、新梢とか、長梢とか短梢とか、ギヨとかコルドンとか、ダブルかシングルか・・・等々聞いたこともない言葉と理論ばかりが押し寄せてきて訳が分からなかった。

もちろん、基礎となる知識や技術は必要だけど、何年か経験を積むと「樹を見ろ」というところがキモだなぁと感じる。

4年目ごろからようやくそのあたりの感覚を掴むと、いまでは剪定作業がいちばん魅力的だと言い切れる。

想像と妄想という、自分が好む時間を過ごせるのだ。

少しだけ体力も上向いてきた。

この先、剪定枝の片付けや整理、新しい圃場の伐採や整地、トレリスの修繕、苗の準備、苗植え等々、3〜4月までやることはたくさんある。

まだあとひと月ほどは厳しい寒さが続くだろうけど、スイッチは入った。

剪定〜折り返し

比べたことはないけど、たぶん他の人より剪定作業が遅いと思う。自分の場合、次々と伐っていくより、どんな樹形に育つのかを想像しながら作業するのが好きなんだ。

でも、今回はいつもより早く進んでいる。イメージしやすくなったのか、悩むことが無くなったのかは分からない。

真田のメルロと殿城のメルロが終わった。残るは白品種だ。とりあえずは折り返し点、という感じかな。この先大雪などで畑に入れないケースが発生しなければあと2週間ぐらいで終わるだろう。例年は2月中旬までやっているから、もし1月中に終わるとなると異例の早さだ。特に急いでいるつもりはないが、2〜3月は新しい区画の開墾・整地や支柱立て・ワイヤー張りなどがあるから、このまま順調にいくといいなぁ。

今日は昼過ぎから雨〜みぞれ混じり〜15時頃から雪。ちょっと休息だ。

真田メルロ2019[樽]リリース

VARTの赤ワイン「真田メルロ2019[樽]」本日より販売開始です。

3,200円(税込)、750ml、生産量630本

撮影協力:長谷寺(ちょうこくじ)

上田市真田町産のメルロ100%。2019年は高温多湿が続き病害虫に悩まされた年でしたが、9月〜10月初旬には天候が安定し良く熟しました。
醸造は東御市のcave hatano。フレンチオーク古樽12ヶ月熟成の鮮やかな濃いルビー色が魅力的で、瑞々しい黒系ベリーの甘い香りや、クローブなどのスパイス、土やキノコのニュアンスが楽しめるでしょう。
味わいはまろやかながら、口に含むとすぐにしっかりしたタンニンが感じられ、時間と共に甘い果実味が現れます。
鹿や鴨肉のフルーツを使ったソースといったフランス料理のメインディッシュや、熟成したゴーダやウォッシュタイプのチーズとの相性はもちろん、鶏モモ肉の竜田揚げ、豚肉の生姜焼、筑前煮といった醤油を使った普段のお食事にもよく合います。

メルロは4回目のヴィンテージ。これまでも順調に目指す方向性に進んでいたが、個人的にはこの2019は「驚くほど美味しい!」とまで言いきれる。瓶詰め後2ヶ月目に試飲した時は感動してしまい「自分で買い占めたい」とまで思った。

もちろん、醸造していただいている波田野氏の丁寧な造りによるところが大きいものの、改めて土壌と気候がメルロにピタリ合っているなぁ、という印象。

スタートして6年経つ多様性を活かした草生栽培と、有機農薬による栽培が間違っていない感触がある。(有機栽培の難しさ、限界、体力的な厳しさも見えてきたが・・・)

日本ワインにしては重めの濃いワインですが、嗜好が合いそうでしたらおすすめしたい1本です。購入店は限られていますが、ご興味がありましたらオンラインショップを覗いてみてください。

まずは幼子から

昨日から冬支度のスタート。

恒例のわら巻き作業の開始です。

まずはこの春に定植した苗木のシャルドネから。

村中の目立つ畑にて。

冬支度なんだけど、汗をかくほど暖かくて変な感じ。とはいえ、標高800mの地は急に寒くなるとハンパじゃないから幼木は早めにやっておかなきゃ。

立ったりしゃがんだりの繰り返しで足腰が疲れる。

藁で手がガサガサになるので手袋をつけたり、ひもを結ぶのに外したり。なんだかんだで手間がかかります。

年内に終わるかな?

オレンジの誘惑

昨日は委託醸造をお願いしているVinVieさんに行ってきた。

目的の一つが2020シードル用リンゴの搬入。

そしてもうひとつが、真田殿城ブラン2020の今を自分の目で見ておくこと。こっちの方が気持ちは勝っていたけど。

そして、2つの驚き。

ひとつは、既にボトリングが済んでいて、そのまま熟成を行うとのこと。

おそらく、ひととおりの醸造工程を経てすぐにボトリングを行えばその後の品質管理も容易なのだろう。酸化リスクも最小限で済む(コルク栓で極々微量の呼吸はある)。白ワインはこういう方法もありなのか、と勉強になった。

そして2つめ。

事前にS氏に画像を送っていただき見ていたが、実際にその色に触れてみて「おぉ〜!」と、つい声を出してしまった。

オレンジだ。

決してオレンジワインを目指しているのではない。醸しの白ワインが持つタンニンや厚みが好きなのだ。が、正直ワクワクしてしまった。色に。

昨日撮った写真。肉眼ではもう少しオレンジぽかった。

「オレンジワイン」という表現は好まない。でも、好きな色なんだよな、オレンジ。

50代後半〜60代以上のサッカーファンなら共有できるだろうか?オレンジは革命の色なんだ(個人的イメージ)。

オランダサッカーの衝撃。クライフの色。

そういえば、横浜でシニアサッカーをやっていたときのチームのカラーもオレンジだったなぁ。いい色だ。

そもそもチーム名が「バッカス」とは。あからさまに酒好きのチーム。

醸造家の説明では香りも豊かだという。チェック用に1本・・・と言われたが、なんか、イケナイような気分になってしまった。大切に仕舞っておきたくなり辞退した。

半年以上は、待ちます。

メディア初登場?

若い頃から、被写体側になるのがどうも苦手で。裏方が好きなんだ。

とはいえ、コロナ禍による経済への影響は深刻。飲食店の苦境。そして同舟となる酒販店さんの苦境に心が痛んだ。

全く無名のバートのワインを扱っていただいている酒販店さんのことを思うと、もはや今までのスタンスを続けることは単なる我が儘としか思えなくなっていた。

自分が露出を増やすことにより、取引先の売上に少しでも貢献できるのなら、と思い地元のケーブルテレビUCVの取材を受けることにした。

正直、居心地悪い。気恥ずかしい。

UCV(上田ケーブルビジョン)のHPです。

ちなみに、10月28日夕方のNHKニュースでも紹介していただきました(長野のローカル枠)。

ワインのあけぼの

先週の収穫でとりのこしたメルロの病果を取り除く作業をしているが、ちっとも進まない。邪魔者がたくさんいて作業を阻むのだ。スズメバチ、怖いです。

収穫したメルロは、いまは順調に発酵してます。発酵している様子を見るのはいつもながら楽しい。手足をばたつかせたり泣き叫んだりキャッキャ笑ったりと、何をしてもカワイイ赤ちゃんのようだ。

昨日はcave hatanoにて瓶詰め作業があり、メルロ2019のリリース準備もそろそろ始まる。2〜5ヶ月ほど瓶で寝かせる。

そして、昨日は白ワインの醸造をお願いしているVinVieさんから画像が届いた。瓶内で熟成させているけど、なんとも美しい色だ。Sさん、いつもありがとう。

シズル感! おいしそう! @VinVie:S氏

画像を見た瞬間、飲みたい!と思ってしまった。これは現物を見に行かねば。お出かけの口実ができた(笑)。

惨憺たる状況の収穫が終わって1週間。鬱々とした気分が、少しずつ晴れてきた。前向きになってきた。ぶどう達は、ちゃんとワインとして次の生命へと受け継がれ、見守られ、飛び立とうとしている。ぶどう達の育ての親としては、そうそうのんびりとしてもいられない。

がんばりましょう。

もやもや2020

振り返るにはまだ早い。あと3ヶ月ある。

が、2020年が後々まで記憶に残る一年になることは容易に想像できる。あまりにも色々な事がありすぎた。社会は言うに及ばず、栽培も。

昨日は赤ワイン品種のメルロを収穫。これで全てのぶどうをとり終えた。まだまだ作業は続くものの、とりあえず苛酷な栽培シーズンは終了。

いつもなら「終わった〜」と、しばし開放感に浸れる。

しかし収穫が終わった瞬間さえも全く達成感がなく、虚ろな気分だけが漂っていた。

様々な思いが頭を駆け巡る。もやもやしている。

写真を撮っていない。忘れた、というより、そんな気分じゃなかった。

来週、2021年シーズンに向けての新しい作業を行う。

もやもやを吹き飛ばすことができるか。すべては事前準備にかかっている。

まずは白ワイン品種から

いつも通りの言い訳だけど、バタバタしていたらまたしてもブログ投稿が1ヶ月ぶりとなってしまった。

次回メルロの収穫に向けてすぐに作業を始めるけど、とりあえず白ワイン品種の収穫が終わったので、緊張感を保ちつつも少しだけ精神面で開放感が生まれた(身体は悲鳴をあげている)。

今回は知人に教えて貰った冷蔵倉庫を借りることで、これまで必死に1日で終わらせていた収穫を、2回に分けて行うことが出来た。

最初は自宅前の殿城ヴィンヤード。ソーヴィニヨン・ブランと若木のシャルドネ。数は少ないし、ここは病気が少ないのでひとりでこつこつ行った。

14日(月)が本番。真田ヴィンヤードのシャルドネとリースリング。10名もお手伝いに来ていただきました。皆様に改めて感謝。

S氏撮影。画像をご提供いただきました。ありがとう。

昨年比32%減。手元で計った限りでは総収量423kgでした。

昨日15日は委託醸造先のVinVieさんへ持ち込み。前回までとワイナリーは変わりますが、醸造家は同じ竹村氏。これまでの流れもしっかり把握しているし、まだ経験不足の私の意見も真摯に聞いてくれるので、100%安心できるパートナーです。

さっそく仕込んでくれた。

写真提供:VinVie

もちろん今回も混醸。シャルドネ74.9%、リースリング12.7%、ソーヴィニヨン・ブラン12.6%となった。

そして醸し発酵をします。

今回は意図的に早く摘みました。

白ワインはやはり酸が欲しい。そしてこの1週間の酸落ちが速かった。pHもどんどん高くなっていた。

加えて、晩腐病が出始めて、その広がりも早まっていた。

選果でどんどん収量が減る中での糖度の上昇を待つリスクにびびる。

病原菌の混入割合が大きくなることによるもろみへの影響が怖い。

まだ知識不足ながらも少しは繊細な判断をできるようになってきたため、かえって臆病になっている。

実際に収穫をしていると、熟しきれていない実も多かった。そのため、仕込み時の糖度はかなり低いので補糖を行う。

ただ、最近は収穫時にいちばん重視しているpHが思っていた以上に低かったため、亜硫酸を減らすことができるとの報告をいただいた。

7月の致命的な長雨で、今年は有機農薬のみでの栽培が不可能となったが、亜硫酸を少なくできることは朗報であり、早摘みをしたのは正解だったと思われる。

白の2020年はこれまでと少し異なる個性となるだろう。この先も試行錯誤は続くが、今年は栽培家としてもターニングポイントとなるかもしれない。

会話

今日・明日と防除作業の予定で、まず今朝は真田ヴィンヤードの防除を終えた。

4:30起床で真田に向かい、5時過ぎにスタート。なるべく涼しいうち、できれば6時台に終わらせたかったけど中々思うようにはいかなかったが、太陽が強くなってくる前の7時過ぎにどうにか完了。終わってから後片付けや掃除、洗濯をしているとあっという間に時間が過ぎ、8:30ごろにようやく朝食にありつく。もう今日は休養とする。明朝は殿城ヴィンヤードの防除作業もあるし。

一昨日の日曜日。友人が手伝いに来てくれた。

実ベトの病害で惨憺たる状況のメルロ。8月にはいってからずっとこの病果とりを続けているのだが、見かねた友人がボランティアをかって出てくれたのだ。

コロナ禍以降、自粛が常態となっている世の中だが「自分にはさほど影響が無いだろう」と思っていた。

子どもの頃から黙々と細かい作業をするのは好きなので、今回も「どうせ何処にも遊びにいけないから農作業をやっていればいい」と鷹揚に構えていた。

ところが、この病果とりを延々と続けていると、どうしても鬱々としてしまう。天候のせいにしたところで何にもならない。黒い病果のかたまりを前に下を向く日が多くなり「自分の判断ミスもあったかな」とか、余計な考えがぐるぐる巡っていたり。

考えてみると、去年までは疲労がたまったりすると、ふいにドライブに出掛けたり、美術館に行ったり、温泉に行ったり、ワイナリーに行って誰かと話しをしたり、知人に会いに出掛けたり、と、気まぐれながら定期的にリフレッシュしていた。

結局、知らず知らずのうちに人に会いに行っていたんだろうな。

一昨日は病果とりの作業をしながら友人と会話をする、というシチュエーションにとても癒された。いつもより疲れにくいのだ。心が軽くなってくるのが実感できた。

元々あまり自分から多くの話しをするタイプではないのだが、自然と饒舌になっている自分に気づきおかしくなった。

会話って、大切なんだね。

一人でいるのは好きだけど、独りでは生きていけないようだ、人間は。

今さらながら気づかされた。

60年以上生きていても、まだ知らない自分に出会えた。