源流探索

移住したてのころに水道水が美味しいことにすぐ気がついた。地区名の「岩清水」そのままに。普通に蛇口をひねれば美味しい水ががぶがぶ飲めるのだ。

村人の皆が口々に自慢する。「ここはな、烏帽子岳の水が何年もかけ濾過され源流となって水道化されたから、そりゃ美味しいんだ」と。

そうは聞かされるものの、じゃあ、その源流とやらはどこにあるのか、と何度か連れていって欲しいとお願いしていたが、なかなかその機会は訪れない。

移住8年目にしてやって実現したのが昨日の源流探索だ。集落東側の山塊に分け入り標高900〜1,000mあたりまで進むと現れる。当然ながら上田市水道局が管理しているので、昨日は正式な許可も得て源流を見学させていただいた。生活水の源なので軽々しく立ち入ることができないのだ。職員立ち会いでないとダメだし、このようにブログなどでオープンするのもNGなのです。

なので地域を特定できそうな画像は出せない。あしからず。ひと口いただいたが柔らかくて美味しい。ミネラルたっぷりでした。

次に、地域の名所でもある「稲倉の棚田」の水源となっている源流も探索。こちらは別の沢に分け入りさらに高く奥まったところにある。

傾斜のキツい山林の一画にぽっかり穴があり、こんこんと湧き出ている。歴史ある祠が祀ってありました。何百年も前から稲作ができて、人々の営みが続いてきたことが実感できた。有難いものです、水。大切にしましょう。

棚田の水源

雑草の免疫力

過日、プロ野球界で数々の実績を残した野村克也さんが亡くなりました。

長嶋さん王さんでプロスポーツを楽しませてもらった世代である私には、「月見草」という比喩で強烈な印象を与えてくれた。

その反骨精神から「雑草魂」を連想するのは容易で、主役になれない多くの庶民、そして自分にも大きな存在としてあり続けた。

植物学的には「雑草」というくくりは無いのだが、庶民=雑草という表現はしっくりくる。

雑草は、そう簡単に“生える”のをやめない。

様々な状況にさらされ、時に踏みつぶされ、むしられ、刈り取られても、春になれば再び生えてくるのだ。

生命力があるんだ。

ちょっとやそっとじゃ負けない。諦めない。

免疫力が強いんだ。

「病は気から」という表現はいつ頃から使われているんだろう?

日進月歩で科学が発達しつつあるものの、“気”が人間の健康状態を左右しているという事実は否めない。

スポーツをする人が爆発的に増えている。ヨガやフィットネス、筋トレなど、人々は身体に関わる活動を欲している。

「免疫力を高める」という理屈より、身体が教えてくれているのではないか。

人類に残された、野生の生存本能だ。

身体を鍛えることが難しい高齢者や社会的弱者はどうか。

やっぱり「気」だな。

無理にでも生きる目標を作る。予定を組む。自分が本当に楽しめることを考える。何も考えずに笑う、笑えることに触れる。

逆に、すべてのネガティブな要素を無視する。あるいはすっかり受け入れる。ある種の「悟り」だ。

これって難しいけど、自分の場合、もの凄く大きな効果があることを実感している。

コツは「過ぎ去った自分を捨てる」ことかな。いつも良い人でいる必要はないのだ。他人の目なんて気にしない。我が儘を平気で言っちゃおう!(もちろん社会に迷惑をかけない程度に)

そうやって続けていると、いつの間にか心が軽くなる。免疫力が上がっているのかな?

科学的なことは専門家に任せよう。

でも、雑草が強いのは本当だ。

北信紀行

剪定も終わったし、続けて畑の整理をしていてちょっと疲れ気味。筋肉痛もあったり。

ということで、昨日今日とリフレッシュを兼ねた連休に。

まず、高山村での生ハム仕込み。ただ今年は自分はお休み。前回のがまだたっぷりあるので今回は遊びに行っただけ。もう恒例行事みたいになってきたので顔ぶれもお馴染みとなり、それもまた楽しみのひとつだ。

あと、昨年仕込んだ自分の生ハムとの再会。これも楽しみ。

現在1年の熟成中。たぶん11月頃まで熟成させるのでこれからが本番だ。

そして夜は長野市に宿をとって飲み会。いっぱい飲み、食べました。そして全く写真を撮っていなかったぁ〜!

宿はゲストハウスを利用。3,500円で泊まれるのって気軽。古い商店をリノベして若い方が経営していました。善光寺が近いせいか外人も泊まっている。バックパッカーが利用者の中心のようだ。自ずと若い人が多く、ここでもやはり私は最年長。

朝は市内でゆっくりした後、小布施へ移動してお気に入りの「おぶせ温泉」に。

施設そのものは古いけど、ここのお湯が自分の体質に合うのか、とても良く温まり長く持続する。そして景観が素晴らしい。山にはあまり興味はないけど、風呂に浸かりながら眺める北信五岳(妙高山・斑尾山・黒姫山・飯縄山・戸隠山)の眺めはとても雄大で気持ちいい。

※この写真は休憩スペースで撮影

この後は信濃町まで足を延ばして懇意にしていただている酒屋さんへ。生ハムを頭に思い浮かべながら物色していたけど、思わず目にとまったイタリアの1本を購入。いわゆるジャケ買い。でもシラーだから楽しみ。

開栓の日を楽しみに我が家でしっかり保管。

充電完了。さて、また明日から畑仕事頑張ります。

細菌グローバル

テレビはどこも新型コロナウィルスのニュース。日々感染者とその犠牲者が増えつづけ、不安がふくらんでいる(煽っている?)。

人々の恐怖は、いまやグローバルが当然となった世界経済に大きな打撃を与えているようだ。日本経済新聞が連日その影響を伝えている。なにせ発生源が世界経済の工場、世界商店の本店である中国なのだから。身近なところではマスク不足とか、新しいタイプのニッチなマスクに注文が殺到しているとか。

3月の連休に関東方面に行く用事があるので、そのついでに「アートフェア東京2020」に行く予定をしていたが、さて、どうしたものか。

先週末には世界最大とも言われている「アートバーゼル香港」の開催中止が発表された。

格差がグランドキャニオンのように広く深くなっている現代では、貧困層の増大を尻目にほんの一握りの富裕層が世界各国に存在し続け、彼らは1日に数億単位の資金が動くアートフェアに世界中から集まる。

人が多く集まる場所はあまり好きでは無い。でも「知らない」作品に出会えることが期待できるアートフェアは、以前から一度は行ってみたいと思っていた。

しかし、アートマーケットでもいまやトップクラスの影響力を持つ中国人富裕層は、当然アートフェア東京にも大挙してくることが想定される。

感染病には以前はあまり気にしない自分だったが、ここ数年は自慢の健康と体力が低下気味なので、さすがにちょっと気になる。

それでも、生まれ育った環境下での細菌には抗体があると思っている。そこそこ自信はある。問題は未知の細菌だ。これまで身近には存在しえなかった生物。

歴史や人類学の本によると、数百年前の欧州各国による世界侵略の時代には、迫害や戦争より病気による犠牲者の方が多く、原住民や部族の多くはその影響で絶滅したとの説もあるそうだ。

つまり、生まれ育った環境に、未知の国から未知の細菌が入ってくると、身体がそれへの抗体を作っている時間がなく、あっさりと感染してしまう、ということなのだろう。

驚異的なスピードで物流が発達し、人は世界中で動き回る。ほんの数十年前までには考えられない移動距離だ。

当然、人やあらゆる物資と共に細菌も移動する。交流する。定住する。交雑する。そして「菌は絶えず変容」する。

グローバルって怖いなぁ、と、人が少ない日本の田舎で考えさせらている。

思いがけずデトックス

日曜日は苦しかった。

どうやら原因は前日の夜に食べた餃子のようだった。餃子パックにたくさんあった小麦粉が、焼いたとき生のママ残っていたことに気づかずに食べていたようだ。

どうも朝から身体がだるい。発熱など風邪の症状は出ないが胸がムカムカする。食欲がない。やがて断続的に強烈な下痢。午後には腹痛・胃痛が。

「やっちまった」、食あたりだ。日曜日は終日下痢に悩まされた。

昨日の朝はいくぶん良くなって少しは食べられたので午前中はなんとか剪定作業を進めたが当然ながら力が出ない。昼食に無理にうどんを食べる。駅前食堂の味付けが濃いことに改めて気づく。

念のため家に戻ってお昼寝。その後しばらくして急激に回復した。

夜は食欲が出てきたのでしっかり食べたらよく寝られた。今朝起きたら、頭が軽い。体内がすっきりしている感じ。食欲あり。血流が良くなった印象で身体が冷えない。

年齢の割に食事の量が多いワタシ。加えて、代謝が落ちているこの数年。いつも消化のために余計にエネルギーを使わせしまい、それが血行に影響が出ていたのかもしれない。

強烈な下痢は、思いがけず腸内を掃除してくれたのかな?

農繁期ほどには体力を使わない今の時期、ほんの少しプチ断食をしてみようか?

ここ数年、冬になると時々体調不良に見舞われていたけど、その解消へのちょっとした糸口になるかもしれない。

うらはら

昨夕の天気予報では上田地域に大雪警報が出て、積雪の予想は25cmだった。関東地域も雪への警戒をよびかけるニュースが頻繁に流れてきて箱根の映像が“報道の裏付け”のようにたたみかけていた。

「明日の朝は久しぶりに村の一斉除雪の召集がかかるかな?」とちょっとだけ心構えをしつつも、「たぶん大丈夫だろう」と天候の読みに自信がある自らの感覚に期待していた。

案の定、たいしたことはない。3cmぐらいだろうか。気温も高めなので早くも溶け始めている。

雪も雨も風も地震も、人間の過信をあざ笑うかのように“あべこべ”にやってくる。

「なめていたら痛い目に合う」と分かっていても、ついつい油断をしてしまうのもヒトの習性。そうして“痛い目に合う”と大騒ぎをして神経質になる。何事もないと「なぁ〜んだ。」とまた油断する。

これの繰り返しかな?

人生は、うらはら。

なるようにしかならない。

とりあえず目の前のことに集中して、懸命に、かつ心静かに過ごしましょうか。

仕事始め

自分自身はあまり信仰心が無いのだが、共に大正生まれで農家に育った両親は仏事・神事をごく自然な営みとして行っていたせいか、子どもの頃の感覚は残っている。

加えて、自然を相手にする仕事をするようになると、やはり「祈り」の気持ちは強くなる。

今日から畑仕事のスタート。

まずは畑の入口各所に塩をふってお清めしました。

昨日は厄除け等で上田市民に愛されている生島足島(いくしまたるしま)神社にお詣り。

豊作を祈るのではなく、自然によろしく、っていう感じ。

そうそう、写真を撮り忘れたが、最初に地元・岩清水神社へ初詣に行きました。ちゃんと地域の氏神様にご挨拶をしておかなきゃ。

何はともあれ、2020年のぶどう栽培スタートです。

歩いてみた

冬季は身体を休めるのが大切、と思っているものの、今冬はウォーキングをせざるを得ない状況となっている。

ここ2〜3年、老化とともに著しく代謝が悪くなっていて、冬は体調が思わしくない。冷えと血圧の乱高下。

近頃は比較的こまめに健康診断をしているが、何度やっても、どこを見ても悪いところは無いとのこと。従って原因は血流のようだ。

なので、近頃は血行促進のために歩いている。

昨日は家から「矢沢道」という林道のような傾斜&急カーブの道を歩いてみた。これは日常の生活道路なのだが。とりあえずは山裾の下にあるイデタ製作所を目標にした。

右側が岩清水の集落。

1.8kmほど。下りは20分もかからないが、なにせ急坂なので大腿筋がやられる。太もも前側の直筋に大きな負担。ただ天気が良かったので気分はいい。

さて帰路となる上り道。これはマイッタ。案の定という感じ。途中からはハァハァと息があがる。休み休みじゃないと難しい。もはやトレッキングだ。無理をすると頭がクラクラする。脳が酸欠状態になる。今度は太ももの裏側がヤバイ。

それでも26〜27分ぐらいだった。一番下のイデタ製作所付近で標高620m、お墓のある途中が700m、あんこ坂さんが780m、ウチが800m。都合180mぐらいの上りとなった。意外と歩ける。

初めてとなる今回はキツかったが、回を重ねて筋力をつければ良いウオーキングコースかも。

ヒィヒィいいながら帰路のあんこ坂さん角で振り向いたら、美しい夕景が気持ちよかった。

謹賀新年

2020年元旦。あけましておめでとうございます。

耕作に従事する者は、悠々と流れゆく自然の移ろいに寄り添うことが何より大切、という気持ちが年々強くなっている。月と太陽、雨、風、土、動物、微細な生き物たち、そして植物たちの生理に合わせるのだ。

淡々と。粛々と。

それでもやはり、生まれた瞬間(前?)からカウントされる暦というものは、人々を動かす力がある。気持ちは新たになる。

年初の誓いはただ一つ。

前だけを見て、自分に出来ることを精一杯やる。

今年も、同じように1年を過ごしていく。

マルチタスク

「三歩進むと忘れる。」

今朝は、歯を磨きに洗面所へ行ったら、洗濯しようと思って以前から放置していたニット帽が目につき、つい手もみ洗いを始めてしまい「年明けの畑仕事では綺麗な帽子で作業ができるな」などと思いながら立ち上がると、もう歯磨きのことなんてすっかり忘れている。

若い頃からの性質(タチ)であり、また老化とともに進行しているようだ。ある目的のために行動し始めるのに、他のことが気になるとつい異なることを始めてしまう。ハッとして本来の目的に戻り懸命に遅れを取り戻そうとする。

結果、忙しい。それなのに、なかなか事がうまく運ばない。どうやら一生このままで行きそうだ。スケジュールや段取はちゃんと立てるんだ。それなのに、前述のような行動をしてしまうので、どうも上手く行かない。

頭の中にはいつも複数のことが乱雑に散らばっている。すごく多いかもしれない。にもかかわらず、実際に動かせるのはせいぜい1つか2つ。無理して3つ以上をこなそうとすると混乱して、結果的に全体の質というか精度が落ちるのが目に見えている。

イマドキのIoTのようなマルチタスクは無理なようだ、自分には。

年末も押し迫って今日は大晦日。昨日までに掃除はほぼほぼ終わった。かなり手抜きだ。「あれもこれも」と例によってイメージだけはあるのだが、マルチタスクが苦手が自分には「出来る範囲」と言い訳をしながら、ところどころ妥協して作業終了。

神棚は掃除したし、お飾りもバッチリだ。障子も貼り替えたぞ。上出来だ。

明日から2020年。年々体力は落ちていくけど、とにかく行けるところまで突っ走りましょう。

縁側も綺麗になった。