心配と安堵と疲労と

台風19号、関東に上陸するようだ。故郷の藤沢が心配。横浜は大丈夫か。東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城。それぞれに友人知人がいる。見守るしかない。引きこもろう。

台風への備えでスケジュールが大幅に変わった。

結果、大正解。

9・10日に行ったメルローの収穫。少数ながら強力なサポートをいただき何とか終えることができた。病気の多い収穫で大変だったけど、皆さんの温かい気持ちが感じられた2日間でした。

前年比約30%の収量減。目標には遠く及ばなかったけど「安堵」という言葉が素直に出てくる。

もし台風後に収穫をしていたら、病気は更に広がり大打撃を受けた可能性がある。その意味でも、このタイミングで収穫できたのは大きい。「収穫をいつ行うか。」改めてその判断の難しさ、決断力の大切さを思い知った。

いつもは全体のマネージングをしながら要所で収穫したり、ボランティアの方々に声をかけたり、という感じなんだけど、今回は自身が必死に作業しなければ追いつかなかった。また傾斜のある畑を急ぎ足で動き回るから、もうヘトヘト。※収穫中の写真はゼロ。撮る余裕がぜんぜん無かった。

15kg以上あるコンテナを何個も持って動くとハァハァ、ゼイゼイ、フラフラ。このときばかりは年齢を感じてしまった。今朝もまだ全身筋肉痛だ。

台風は心配。でも今回ばかりは、激しい雨音をBGMに一日じゅう温和しく家で静養します。

ソワソワドキドキ

また始まった。落ち着かない日々。

犯人は天気。

土曜日までは順調だったのに、昨日から急に雨予報が増えてきた。

台風19号も発生し日本列島を窺っている。すごく強烈なようだ。

11日〜14日のどこかで収穫する予定なのに。本命は12日・13日だが、ここが危ない???

という気持ちと、信州の東側は台風が来ることがホント希、という確信。「降る降る詐欺」という印象もあったり。

とはいえ、万一来たら大変だ、とフラフラ。ず〜と気持ちが落ち着かない。

昨日はcave hatanoさんで果汁分析をしてもらった。いい感じ。決まった。やはり収穫は12日・13日がいい。

自称、晴れ男。やります。

糖度は充分。熟し具合もいい。

収穫、まず白。

23日(月・祝)、台風の影響で強い風が吹き続けていたけれど雨も午前中に時折パラパラと降っただけで予定通り収穫できた。ぐらぐら悩み続けていたけれど決行して正解。真田と殿城の2つのヴィンヤードでシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランの3品種、約630kgを穫り終えました。

真田ヴィンヤードでリースリング収穫の様子。

この日に集まっていただいたのは総勢17名。ホント感謝の言葉しかありません。ボランティアだもの。

できる限りのおもてなしをしたいし、参加者の労力を軽くしておきたいものの、どこまで出来るのか不安だったけど、前日から友人3名の強力な援軍が来てくれたので何とか乗り切れた。

せめてものお楽しみをとご用意したのがお弁当。ご参加いただいた方にはワンコイン500円だけご負担いただきましたが、我が村にこの夏オープンしたフレンチカフェ「ラ・ロッシュ」特製ランチボックスを畑で!という企画。

カボチャとセージのキッシュ、ポテトサラダ、鶏むね肉の低温調理&パプリカとクスクスの甘酢マリネ、ガスパチョのジュレ&佐久ボスケソさんチーズ、そうめん南瓜のサラダアンチョビ風味、キノコのバジルマリネ(これ最高!)、美ヶ原産鹿もも肉のロティ、信州みゆきポークの生ハムとピクルス、ガトーショコラクリュという豪華9品の美しいパッキング。そして左手には信州太郎ポークのパテサンド(ボリューミーで絶品!)。シェフ手作りグルメが満載でした。

そうそう、地元のカフェ先輩「あんこ坂」さんの自家焙煎珈琲も主人自ら全員分ご持参いただき、こちらもまた絶品でした。珈琲好きにはたまりません。

ぶどう畑でフレンチのお弁当、幸せです。たぶん楽しんでいただけたと思います。

※アルコール類は一切ご用意していません。当然。でも楽しかった。

さて次はメルロ−。10月の中旬あたりか?今日からまたしっかりやりましょう。

収穫日決定

もう何度見てもきりがない。週間天気予報。特に9月は変わりやすく、週間予報ほどアテにならないものはない。

とはいえ、ワイナリーは無く、ネームバリューも無いウチの場合、人手が必要な収穫へボランティアさんに来ていただくためにも日程調整は大切な仕事だ。

9月23日(月・祝)に白品種(シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブラン)の収穫を行います。

9:00頃から日没まで。ご連絡をいただいた方には詳細をお知らせします。

※動きやすく汚れても大丈夫な服装。少雨の場合あり、雨具要。

※畑は真田町および殿城(岩清水)の2ヵ所となります。

収穫ボランティアに参加をご希望の方はご連絡ください(20日午前中まで)。

メール: info@vart-jpn.com

メッセンジャーも可:長谷川真次で検索

※初めての方は連絡先を明記してください。

感覚人間の果汁分析

生来、もう長いこと感覚で生きてきた。冷静に考えると、よく今まで大過なく生きて来れたなぁと思うことがある。

もちろん、必要に応じて(というか切羽詰まって)思考し、リサーチし、粘って、決断し、最後は根性で切り抜けてきた。よくまぁ30年以上も会社経営ができたもんだ、と、ちょっと感心する。

そんな自分が移住してまで身を投じた世界「農業」「ワイン」は、思い切り理数系の仕事だった、という皮肉。常に数値と向き合う必要がある。

中でも極めて難しいのが収穫適期の判断。

醸造もそうだが、分析ありき、かつ、感性が求められる。当然経験値も。

これは難しい。

感性は得意分野だ。ただ、経験値が浅い。たった7年じゃひよっこだ。なので、勢い分析値に頼らざるを得ない。

糖度、酸度、pH。その推移。数値とは別に食味による判断。天候の予測。品種特性。病害虫の状態。目指すべきワインのスタイル。収量(経営判断)。

おそらくその全てが合わさるあたりが「経験値」ということなのだろう。

ワインの品質にかかわる収穫適期。難儀だ。

今のところ、白品種の収穫は22日〜26日あたり。まだ決められない。

追い込み

9月10月はまわりも慌ただしい。“村の行事”が多々あるのだ。めぼしい娯楽がなかった昔の集落では、季候の良い春と秋のひとときは絶好の催事シーズンだったのだろう。特に稲刈りを終えた秋は農繁期からの開放感が格別でもあり、信仰心が篤い地方において秋祭りは大切な娯楽と位置づけられていたのかも知れない。

とはいえ、果樹農家はこの頃が忙しい。収穫シーズン本番だ。

8日(日)は他園の収穫お手伝い。思ったより手間がかかり、けっこう必死にやっていたら、32℃を超える暑さも相まってヘトヘトになってしまった。

体力落ちたなぁ。

夕方、収穫したソーヴィニヨン・ブランを委託醸造先のヴィラデストワイナリーに搬入。

ひさしぶりにここの醸造所に行った。いろいろ思い出もある場所。

ヴィラデストは毎年仕込みの皮切りとなるので、「いよいよシーズンの総決算だなぁ」なんて思ってしまった。

醸造所の前でふと目にした美しい夕暮れ。慌ただしい時期だけど、しっかり追い込みます。

来たな、ハクさん!

ついに登場した。ハクビシン。

家の前のシャルドネが喰われはじめた。

地面から1mぐらい上の場所、結果母枝の近くが食べられている。幹や柱を登った近くの実だ。軽々とつたってくるんだろう。

つまり食べ頃が近づいているということで、白品種の果汁分析を始めた。

糖度13.6〜14.9。熟しが早いのはおそらく17ぐらいまでいっていると思うけど、逆に遅いのはもっと低い。個体差が大きい。

分析は全体の平均値で測定するので、まだまだ。

昨日の上田市は32.5℃。しっかり晴れて気温が上がった。この先も1週間は続きそうなので、収穫日を決めるのは来週か。

いずれにしろ、早くて22・23日、順当で25・26日、引っ張って28・29日ぐらいと想定する。

センシティブ。

除葉の再開

今年少しだけ収穫できるようになった家の前のメルロとシャルドネは様子を見ながらなので後回しにするけど、とりあえずはメイン区画への電気柵が終わった。

さて次。途中で止まっていた除葉作業だ。仕上げの段階。ちょっと遅くなっちゃったかな?大事な作業なんだけど、まぁ、なるべく自然の成り行きで。

日当たりの良い畑なのでガンガンに除葉し過ぎるのも良くない。収穫もなるべく後ろへ引っ張りたい。じっくり成熟を待ちたい(健全果が減るのがキツイのだが)。

なにより「とても人為的な作業」なので個人的にはちょっと抵抗がある。あんまり管理し過ぎるのもどうか?などと思ってしまう。

自然派とかビオとか色々な表現をしているけど、それらを標榜している方々も剪定、芽かき、誘引、摘芯、除葉、摘房とかの人為的な作業をやっているんでしょう?当然のように。

なんだか変。

まぁいいや。

草刈りもたんまり残っている。

頑張ろう。

ひとり栽培の不満

まだ終わらない。電気柵の設置。

ワイヤーとかロープとか紐とか、とかく“線”を使う作業はホント一人だと効率が悪い。

ほんのちょっと、端っこだけ、、、それを持ってくれる手がもう一人分あればどんなに作業がはかどるか・・・。そんな不満を飲み込みながら、ここ2日間黙々と電気柵の設置を行っている。

そろそろアイツがやってくる。ハクビシンども。

とりあえず家の前のソーヴィニヨン・ブランと、真田ヴィンヤードの小さい畑のメルロは終わった。

いちばん広いメルロ・シャルドネ・リースリングのところは、昨日の夕暮れ近くまで頑張ったけど、あちこち蚊にくわれ始めたので途中でやめた。

傾斜のキツイ真田ヴィンヤードはポール設置のために歩くだけでなかなかの重労働。もうヘトヘトだったし。

今日の家のまわりは真っ白。残り、終わらせないと。