きっと、何て言うことはないのかもしれないが、ときどき、脳裏に妙に焼き付く光景に出くわす。
外食は一人で行くことが多いので、たいがいはカウンター席へ座る。
先日、大戸屋で昼ご飯を食べていたとき、後から20代とおぼしき若い営業マンがひとつ空けた隣席に座った。なにやら楽しそうにしゃべっている。
「なんか変だなぁ」。チラッと見てみたら、一人だ。
???
手にスマホ、耳にワイヤレスのイヤホン。食べながらもずっとしゃべっている。笑っている。楽しそうに、屈託なく。
あまり得意ではないものの、雑踏は慣れているつもりだ。ひとりでの外食も数十年も昔からで慣れたもの。店内で交わされている人々の会話は、リラックスしているときには適度に賑わいを感じる。
でもなぁ、すぐ隣で「ひとりで」しゃべっていられると、やはり気持ち悪い。気にしなきゃいいんだろうけど、そうはいかない。自分の神経が勝手にザワザワする。
もし今も東京で仕事していたら、もはや日常なのだろうか?慣れて、気にならなくなるのだろうか?
なんか、変だ。電車内で女性が化粧をしているのに出くわした気分。
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食事を終えて買い物へ。アリオという複合施設(SC)だ。十万人以上の人口を抱える地方都市にはイオンと共によくある。便利なのだろう。全国展開のテナントがパッキングされ老若男女が行き交う。SCの磁力は強大で、地元商店街と個人商店は自ずと衰退する。
それはともかく、目的の店へ向かう通路にサーティーワインアイスクリームある。子どもや女性に根強い人気だ。ピンク、淡いブルー、柔らかいイエロー、アイボリーホワイトで統一されたブランドは、おじさんには近寄りがたい。きっと、おじさん達に大挙して来れないような戦略なのだろう。彼らは意外とアイスが好きなのだ(笑)。
が、店頭の、通路側に設置された、例のピンク・ブルー・アイボリーのベンチ式ソファに30代らしきイカツイ兄ちゃんがひとり無心でコーンにかじりついている。サンドウィッチマンの伊達に似ている。周囲に家族は見あたらず、推測するに、奥さんと子どもの買い物を待っているのだろう。それにしても31の店頭か。
風貌がそうさせているのだろうけど、なんだかシュールだ。脳裏に焼き付く。こちらは微笑ましかった。