追い込み

9月10月はまわりも慌ただしい。“村の行事”が多々あるのだ。めぼしい娯楽がなかった昔の集落では、季候の良い春と秋のひとときは絶好の催事シーズンだったのだろう。特に稲刈りを終えた秋は農繁期からの開放感が格別でもあり、信仰心が篤い地方において秋祭りは大切な娯楽と位置づけられていたのかも知れない。

とはいえ、果樹農家はこの頃が忙しい。収穫シーズン本番だ。

8日(日)は他園の収穫お手伝い。思ったより手間がかかり、けっこう必死にやっていたら、32℃を超える暑さも相まってヘトヘトになってしまった。

体力落ちたなぁ。

夕方、収穫したソーヴィニヨン・ブランを委託醸造先のヴィラデストワイナリーに搬入。

ひさしぶりにここの醸造所に行った。いろいろ思い出もある場所。

ヴィラデストは毎年仕込みの皮切りとなるので、「いよいよシーズンの総決算だなぁ」なんて思ってしまった。

醸造所の前でふと目にした美しい夕暮れ。慌ただしい時期だけど、しっかり追い込みます。

来たな、ハクさん!

ついに登場した。ハクビシン。

家の前のシャルドネが喰われはじめた。

地面から1mぐらい上の場所、結果母枝の近くが食べられている。幹や柱を登った近くの実だ。軽々とつたってくるんだろう。

つまり食べ頃が近づいているということで、白品種の果汁分析を始めた。

糖度13.6〜14.9。熟しが早いのはおそらく17ぐらいまでいっていると思うけど、逆に遅いのはもっと低い。個体差が大きい。

分析は全体の平均値で測定するので、まだまだ。

昨日の上田市は32.5℃。しっかり晴れて気温が上がった。この先も1週間は続きそうなので、収穫日を決めるのは来週か。

いずれにしろ、早くて22・23日、順当で25・26日、引っ張って28・29日ぐらいと想定する。

センシティブ。

除葉の再開

今年少しだけ収穫できるようになった家の前のメルロとシャルドネは様子を見ながらなので後回しにするけど、とりあえずはメイン区画への電気柵が終わった。

さて次。途中で止まっていた除葉作業だ。仕上げの段階。ちょっと遅くなっちゃったかな?大事な作業なんだけど、まぁ、なるべく自然の成り行きで。

日当たりの良い畑なのでガンガンに除葉し過ぎるのも良くない。収穫もなるべく後ろへ引っ張りたい。じっくり成熟を待ちたい(健全果が減るのがキツイのだが)。

なにより「とても人為的な作業」なので個人的にはちょっと抵抗がある。あんまり管理し過ぎるのもどうか?などと思ってしまう。

自然派とかビオとか色々な表現をしているけど、それらを標榜している方々も剪定、芽かき、誘引、摘芯、除葉、摘房とかの人為的な作業をやっているんでしょう?当然のように。

なんだか変。

まぁいいや。

草刈りもたんまり残っている。

頑張ろう。

ひとり栽培の不満

まだ終わらない。電気柵の設置。

ワイヤーとかロープとか紐とか、とかく“線”を使う作業はホント一人だと効率が悪い。

ほんのちょっと、端っこだけ、、、それを持ってくれる手がもう一人分あればどんなに作業がはかどるか・・・。そんな不満を飲み込みながら、ここ2日間黙々と電気柵の設置を行っている。

そろそろアイツがやってくる。ハクビシンども。

とりあえず家の前のソーヴィニヨン・ブランと、真田ヴィンヤードの小さい畑のメルロは終わった。

いちばん広いメルロ・シャルドネ・リースリングのところは、昨日の夕暮れ近くまで頑張ったけど、あちこち蚊にくわれ始めたので途中でやめた。

傾斜のキツイ真田ヴィンヤードはポール設置のために歩くだけでなかなかの重労働。もうヘトヘトだったし。

今日の家のまわりは真っ白。残り、終わらせないと。

防除終了

今朝は今シーズン最後の防除作業。

散布したのは木酢液。農薬でも肥料でもない。つまりなんらかの効果を期待しているつもりはない。おまじないみたいなものかな。

木酢液は古くから使われていおり、環境に優しい(粗悪品は除く)。先述のように所謂「効き目」はほぼ無いようだが、作物の生理代謝を促し、酵素の働きを助ける、そして土壌微生物にダメージを与えない、という部分に惹かれており、一昨年からシーズン最後の防除に使っている。

自分の防除のイメージは、「医者に行かないし、市販の薬も飲まない。万一病気になったら自然治癒に向けて頑張る(休む・寝る・食べる・汗を掻く)。そして身体を鍛えて病気に負けないような体質にする。一応、漢方薬の類は摂る」というもので、人間の生活を参考にしている。

というか、これ自分の生き様そのもの(若い頃の話。老化が進む最近はこうもいかない)。

さて、次は電気柵の設置だ。

予定は未定の収穫予定

9月になりました。

いよいよ収穫モードに入ります。他園での予定も耳に入ってきた。

今年は例年よりやや遅めになると予想される(昨年の異常な早さは除く)。そう願いたい。できるだけ後ろに引っ張りたい。

といっても、病害虫の被害状況、降雨の状況を見ながらなので、正直、今の段階では全く予想がつかない。

もちろん果汁分析値による収穫期の判断が基本だが、そこは有機栽培のツライところ。日々減っていく果実を、指をくわえて眺めているわけにもいかない。

といっても、ベストなタイミングで高品質なワインに育って欲しい。

といっても、収量をある程度確保しなければ、いつまでたっても赤字のままだ。

ぐるぐる。巡る巡る。揺れる揺れる。頭と心。

きっと、ず〜と悩み続けるのだろう。それが自然に寄り添った農業をやることなのだろう。

ということで、収穫予定をVARTのホームページhttps://www.vart-jpn.com/index.htmlに掲載したけど、だらだらとバッファだらけとなってしまった。

つまり、使い古された常套句「予定は未定」。

こんな状況ですが、収穫ボランティア募集します。

ウチはワイナリーが無いので、収穫体験しかできないけど、興味がありましたらご連絡ください。

ご希望の方はメールをください。ホームページからどうぞ。

メッセンジャーをお使いでしたら「長谷川真次」で検索してください。

今後、できるだけ頻繁に更新するようにします。

光に託して

昨日は降ったりやんだりが断続的で雨に振り回されてしまった。あげく、すっかりやる気を無くして午後からは家仕事で引きこもった。

でも、、、ブドウトリバが心配。

真田ヴィンヤードへ行こう。気が重い。

いま現在、唯一の望みが家の前、殿城ヴィンヤードのソーヴィニヨン・ブラン。ハダニがしつこくはびこってはいるものの、例年になく実がしっかりしている。早生種ながら軟化が遅いので本番はこれからだが、期待してしまっている。

わずかばかりの光明、すがりたい気持ち。

頑張って〜〜〜。

アンバランス

今日も降雨確率は70〜80%。

だんだん追い詰められていくような気分だ。病気、害虫。その先の収量減。

朝晩が涼しくなって、昼間が暑くなっても30℃あるかないか。ときおり畑を吹き抜けていく風も心地良い。さぁ〜と汗が乾く感じで。

肉体的には負荷が少なくなってきている。

が、今日も雨模様でイライラ。

害虫退治、イライラ。

電気柵も準備をしなきゃ。

家の前の景色はグレー。この先どうなるんだろう。

業務連絡〜販売終了のお知らせ

6月21日発売の「真田殿城ブラン2018」は、バート・ジャパンの販売数量が無くなりました。ご購入いただきました皆様、ありがとうございました。あと少しだけ在庫を残しているのは、事前にご予約いただいたお客様の分、イベント用、経過観察のためのバックヴィンテージとなっています。

なお、特約酒販店さんへの出荷は別途行っておりますので、お手数ですが以下のお店にて直接お買い求めいただけますと嬉しいです。

酒乃うちやま

長野県東御市田中(デリシア東部店内)
※ご来店のみでの販売となります。

地酒屋宮島

長野県上田市真田町(国道144号線沿い)
http://www.mssakaya.com/
※上記ホームページよりご注文いただけます。
※全国発送いたします。

萬屋酒店

長野県上水内郡信濃町(しなの鉄道北しなの線黒姫駅すぐ)
FB萬屋

glou glou (グルグル)

京都市中京区壬生檜町
http://glou-glou.com
※全国発送いたします。

銀座NAGANO

東京都中央区銀座5丁目(晴海通り側から鈴らん通りへ入ってすぐ)
※店頭販売のみ(バーカウンターでのグラス売りもあるようです)。

 

以上、引き続きご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

バート・ジャパン代表 長谷川真次

真田殿城ブラン2018

今日、6月21日は「真田殿城ブラン2018」の発売日でした。

冷涼な気候の標高750〜800mにあるVARTのヴィンヤードですが、2018年7〜8月には記録的な猛暑となり、この地域にしては異例なほど夜温が下がらない日が多くなりました。その影響もあってか9月早々より酸が落ちはじめるなど、糖度・酸度・phの数値変動に悩ませられる日々となりました。併せて台風と長雨兆候で病害の蔓延も懸念されることから、充分な成熟を待つことが叶わない状況での収穫を決断。最終的な果汁分析による糖度は18.5度でした。

醸造は、まし野ワインの竹村剛氏に委託。2017ヴィンテージと同じく収穫した3つの白品種(シャルドネ78%、ソーヴィニヨンブラン13%、リースリング9%)を同時に仕込む混醸、そして1週間の醸し発酵(マセレーション)を行っています。<培養酵母/補糖あり/MLFは回避/濾過は粗め(2μm)>
マセラシオンタイプながら透明感のある外観は白ワインらしい色調の落ち着いた佇まいとなっています。

凝縮感と酸味は控えめながら、タンニンを備えた味わいには畑を耕したような香りや、りんご、ピール、オイリー等の香り、そして時間とともに現れるほのかな苦味など、繊細で多様な表情が感じられます。
複雑すぎず軽やかさを保つ2018ヴィンテージには、すぅっと口の中をすべるように入る心地よさがあり、和洋を問わず食材そのものを活かしたシンプルな料理との相性がお薦め。
食味を邪魔しない穏やかな香りは、型にはまらない自在なペアリングが楽しめると思います。

エチケットの絵は2015年の油彩画で、2人分の翼を持った鳥を描いたもの。商品名の「真田」「殿城」は、共に産地の名称となります。

今日はお客様への納品や配送手配、SNSをはじめVARTのホームページやこのブログを最新のものに更新する作業やらでバタバタして一日が終了。

何にせよ、商いとなるとどんなものでも大変です。また明日がんばりましょう。