来たな、ハクさん!

ついに登場した。ハクビシン。

家の前のシャルドネが喰われはじめた。

地面から1mぐらい上の場所、結果母枝の近くが食べられている。幹や柱を登った近くの実だ。軽々とつたってくるんだろう。

つまり食べ頃が近づいているということで、白品種の果汁分析を始めた。

糖度13.6〜14.9。熟しが早いのはおそらく17ぐらいまでいっていると思うけど、逆に遅いのはもっと低い。個体差が大きい。

分析は全体の平均値で測定するので、まだまだ。

昨日の上田市は32.5℃。しっかり晴れて気温が上がった。この先も1週間は続きそうなので、収穫日を決めるのは来週か。

いずれにしろ、早くて22・23日、順当で25・26日、引っ張って28・29日ぐらいと想定する。

センシティブ。

夏本番スタート

昨29日、信州の梅雨明けだったようです。

長かった、今年の梅雨は。特に7月11日以降はほぼ毎日のように降り、さらにここ10日間ほどの雨量はかなりなものだった。

加えて、28日(日)の19時過ぎから降り始めた雨は局所的な集中豪雨が岩清水地域を直撃。自然災害が少ないこの地もさすがにやや危険な状況になった。一部の家屋では床下に土砂が入り込んだようだ。近隣の道路は雨水が溢れ、砂利道はボコボコになっていた。

幸い自分には直接的な被害はなかったけれど、新しく借りた畑へのアプローチとなる道路の土手が崩れ通行不能となった。

その日曜日の昼間は、8月11日に新たにオープンするフレンチレストラン&カフェの看板を立てる作業を行った。

看板のデザインと製作は私、鉄骨の骨組みは「ヒデちゃん」という近所の何でもできる人の造作だ。ボランティアでの手助けも加わり、中々良い出来となりました。

看板はレストランの「ラ・ロッシュ」がメインで、移住者の先輩「カフェあんこ坂」さんとウチの「VART」、そして村の案内マップを掲載した。通りかかったら是非ご覧くださいね。

さて、既に先週から30℃越えは続いているけど、今日からはまさに夏本番といった天気が続きそうだ。本日の気温はお昼過ぎには33℃を越えた。

今後は夏時間でいく。早朝から畑作業をして、12時前ぐらいにお昼休憩〜午後3時ころから行動を始め日没近くまで畑作業。こんな感じだろうか。

体調管理の難しい季節だけど、ぶどうはここからが勝負所。梅雨の長雨で病気も出始めている。がんばりましょう。

業務連絡〜販売終了のお知らせ

6月21日発売の「真田殿城ブラン2018」は、バート・ジャパンの販売数量が無くなりました。ご購入いただきました皆様、ありがとうございました。あと少しだけ在庫を残しているのは、事前にご予約いただいたお客様の分、イベント用、経過観察のためのバックヴィンテージとなっています。

なお、特約酒販店さんへの出荷は別途行っておりますので、お手数ですが以下のお店にて直接お買い求めいただけますと嬉しいです。

酒乃うちやま

長野県東御市田中(デリシア東部店内)
※ご来店のみでの販売となります。

地酒屋宮島

長野県上田市真田町(国道144号線沿い)
http://www.mssakaya.com/
※上記ホームページよりご注文いただけます。
※全国発送いたします。

萬屋酒店

長野県上水内郡信濃町(しなの鉄道北しなの線黒姫駅すぐ)
FB萬屋

glou glou (グルグル)

京都市中京区壬生檜町
http://glou-glou.com
※全国発送いたします。

銀座NAGANO

東京都中央区銀座5丁目(晴海通り側から鈴らん通りへ入ってすぐ)
※店頭販売のみ(バーカウンターでのグラス売りもあるようです)。

 

以上、引き続きご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

バート・ジャパン代表 長谷川真次

真田殿城ブラン2018

今日、6月21日は「真田殿城ブラン2018」の発売日でした。

冷涼な気候の標高750〜800mにあるVARTのヴィンヤードですが、2018年7〜8月には記録的な猛暑となり、この地域にしては異例なほど夜温が下がらない日が多くなりました。その影響もあってか9月早々より酸が落ちはじめるなど、糖度・酸度・phの数値変動に悩ませられる日々となりました。併せて台風と長雨兆候で病害の蔓延も懸念されることから、充分な成熟を待つことが叶わない状況での収穫を決断。最終的な果汁分析による糖度は18.5度でした。

醸造は、まし野ワインの竹村剛氏に委託。2017ヴィンテージと同じく収穫した3つの白品種(シャルドネ78%、ソーヴィニヨンブラン13%、リースリング9%)を同時に仕込む混醸、そして1週間の醸し発酵(マセレーション)を行っています。<培養酵母/補糖あり/MLFは回避/濾過は粗め(2μm)>
マセラシオンタイプながら透明感のある外観は白ワインらしい色調の落ち着いた佇まいとなっています。

凝縮感と酸味は控えめながら、タンニンを備えた味わいには畑を耕したような香りや、りんご、ピール、オイリー等の香り、そして時間とともに現れるほのかな苦味など、繊細で多様な表情が感じられます。
複雑すぎず軽やかさを保つ2018ヴィンテージには、すぅっと口の中をすべるように入る心地よさがあり、和洋を問わず食材そのものを活かしたシンプルな料理との相性がお薦め。
食味を邪魔しない穏やかな香りは、型にはまらない自在なペアリングが楽しめると思います。

エチケットの絵は2015年の油彩画で、2人分の翼を持った鳥を描いたもの。商品名の「真田」「殿城」は、共に産地の名称となります。

今日はお客様への納品や配送手配、SNSをはじめVARTのホームページやこのブログを最新のものに更新する作業やらでバタバタして一日が終了。

何にせよ、商いとなるとどんなものでも大変です。また明日がんばりましょう。

日本の田舎で南米まるかじり。

先日、日本では手に入らないワイン、そうそう食すことのできない料理の数々(しかも手づくり!)で南米を堪能した。

ふだんは殺風景な我が家の食卓が、こんなに美しい光景となった。

「金にものをいわせて自宅にシェフを呼ぶ」という行為はできない、当然。ここは日本の田舎の村。ワタシの家。それなのに、こんな幸せな時間が得られる。ムフフッ。秘密のルート。※違法行為は一切しておりません。

ペルー、アルゼンチン、チリ、メキシコのワイン、堪能しました。余韻が残る。気に入ったのはなんと言ってもアルゼンチンのPIATTELLI、EL ENEMIGO(左端2本)。ニューワールドでアルゼンチンの評判の高さは知っているが、これほどとは思わなかった。驚きの美味しさ。芳香が口の中で長い時間彷徨ってくれる。

思い出す度に唾液がにじみ出てくる南米料理の数々。名称を記憶することはほぼ不可能なので、用意してくれた資料はしっかり保管します。

田舎暮らしの素敵な一夜。

人と人との繋がりは、様々な楽しみを与えてくれる。

感謝。

第一歩

待ち遠しいなぁ。

近い将来の過疎集落まっしぐらなウチの村に、イタリアンとフレンチを主体としたレストランができる。順調にいけば6月頃のオープンだと思う。

「誘致できた!」という感じ。かねてから親しくさせていただいていたシェフに声を掛け、決断してくれたのだ。

自分がこの村に初めて来た頃から「ここがレストランだったら素敵なのに・・・」と思っていた古民家があった。

オーナーさんは、隣に新しい家を建ててからは倉庫がわりにこの古民家をつかっている程度だったので、「このチャンスを逃すまじ!」という意気込みで思い切ってオーナーさんに提案。レストラン開業による古民家の維持、村の将来に有用なこと等々を理解してもらい、シェフにも会ってもらい、条件面もふくめトントン拍子に話しが進んだ。

過疎集落と侮るなかれ、「美しい小さな村」への第一歩が始まる。

時代の時々にリフォームを施してはいるが、築158年だという。

庭も広〜い。

待ち遠しいなぁ。

3度目の生ハム

17日(日)、長野県上高井郡高山村というところへ手作り生ハムの仕込みに行ってきました。今回で3度目の仕込み体験となります。

燻製をせず、塩漬け・乾燥のみで1年以上熟成させて完成させるシンプルなスペイン式「ハモンセラーノ」。乾燥し気温が低い冬の高地で行うのが適しているのです。

「原木」と呼ばれる豚の後ろ脚1本(約11kg)をまるごと仕込む。本場スペインのはイベリコ豚といわれる黒豚ですが、ここは長野県。飯山市産の「みゆき豚」を原料として使います。

まずは血抜き。太い血管部分をぐいぐい押して処理します(この体験後にもあと1回は行うようです)。

血抜きが終わったら、塩漬け作業。たっぷりすり込みながら塩だらけに覆います。

この後もしみ出てくる水分を綺麗に除いたりと細かく管理していただき、乾燥に進みます。寒〜い加工場の天井にはすでにたくさんつり下がっていて壮観。

1年以上の熟成とはいえ、2年熟成だともの凄い美味しさだから、やっぱり2年近くは待ちます。

ワイン同様、ゆっくり作られるものには深い味わいがある。日本はもとより世界中の昔の食卓に普通に並んでいたシンプルな料理の数々。原料と塩、時間だけ、とかいっぱいある。

複雑で、手が込み、研究され、開発され、新規性に富み、スピード感に溢れる近年のグルメに興味を失いつつあるのは、自然な流れなのかな?

美味しいものには、待ち時間が必要なようです。

年末のご挨拶に行ったら。

昭和の中頃に農家で生まれ育ったので、昔ながらの日本的風習はある程度は染みついている。

そんな訳で、年末ともなると身についている習慣というものがあり、これを済まさないとどうにも落ち着かない。

今日は畑を貸していただいたいる地主さん数軒に年末のご挨拶に伺った。軽く雑談を交わしながら帰ろうとすると「ちょっと待って・・・」と呼び止められる。

あれもこれもと農作物が出てくる。「ひとり暮らしだから、、、」と、なるべく少なくしてもらうのだけれど、結局はかなりの量をいただくことに。

リンゴ、サツマイモ、白菜、じゃがいも、リンゴ、干し柿、つきたての餅、キーウィ。あれ?手みやげ品よりかなり多いなぁ。

いつもありがとう。今夜は鍋と日本酒です。

ワインとアートの西紀行

1日より5日まで、京都〜岡山〜香川と巡ってきました。仕事ですよ。

2日(日)、かねてより懇意にさせていたたいている京都のワインショップ「glou glou(グルグル)」さんのイベントに参加してきました。

1日に前乗りし、東京で世話になった大先輩カメラマンに再会。故郷の京都に戻っていたのでした。とりあえず観光気分で外国人だらけの先斗町をうろうろし食事をしながら旧交をあたためる。

さて本番の2日。グルグルさんの企画で長野ワインの生産者を囲む会で、私のVARTと東御市のcave hatano、千曲市のWa Yawataの3名が京都に集結です。

京都の町家がいっぱい立ち並ぶ一画(蛸薬師町)にあるお洒落な2軒を会場に、ワイン好きのお客様に生産者がサーブしながら紹介したり説明したり談笑したり。

1軒目が「室町二條みのや」。こちらがお店を詳しく紹介している。店主も店内もメチャ感じ良いお店。「蕎麦バル」と銘打って個性も立ち魅力的。信州と京都をつないでいるのだ。

2軒目が「澄吉(すみよし)」。こちらも素敵!常連客に愛されているのが直ぐに伝わる。ワイン好きな方ばかり。お店は町家らしく狭い(失礼!)けど、ほどよくアルコールが回るとその距離感が癖になりそう。

個人的には初めての経験なのでちょっと緊張したものの、お客さんも気さくな方々が多くて楽しめました。ワインラバーの熱量も素晴らしい。それになにより、自分のワインを「おいしいっ!」て言ってもらえるのは、正直、やっぱり嬉しいもの。とんでもなく良い経験をさせていただきました。グルグルさんありがとう!ただひたすら感謝です。

次は倉敷。ずいぶん長いこと憧れていた「大原美術館」へついに行けたのだ!美観地区はチョー人気スポットだけど、私は美術館です。よくもまぁここまで蒐集したもので、古今東西の著名な作品が大集結。あげたらきりがないのでやめておきますが、現代アートの充実ぶりも見事でした。あと再発見は濱田庄司かな?工芸はそれほど興味がなかったけど、バーナード・リーチ共々、その絵画性に魅了されてしまいました。魯山人の次に驚いた。なにはともあれ、素晴らしい美術館でした。

次は四国の香川県へ。ワインつながりの友人に会いにいく。が、みかんの果樹園で働いているのだけど。

せっかく香川に行くのだから、大好きな画家・猪熊弦一郎の美術館を目指して丸亀市へ。が、信じられないことに工事中で長期休館中。比較的新しいのにどうしたものか。がっかりしながら図録だけ購入して諦める。

悲しさは、腹を満たして忘れるに限る。そりゃあ、うどんを食わねば。駅前商店街の奥でみつけた「つづみ」。サラリーマンとおばちゃん、おばあちゃんに愛されている様子がすぐに分かった。当たり。「とり天ぶっかけ」美味でした。

京都に2泊、車中泊2泊と中々ハードだったけど、たっぷり大充実の西紀行でした。

ワインとアート。死ぬまで追いかけていきたい。

ラテンの風

ハモンセラーノ。

いい響きです。唾液が出ます。

昨日、我が家にスペイン式生ハム「ハモンセラーノ」がやってきた。昨年2月に仕込んだ17ヶ月熟成の本格的なヤツだ。10kg以上はある。

ダイニングテーブルにど〜んと鎮座する姿は美しい。たまらん。

昨夜はテーブルを一緒に囲む仲間もいた。

ワインが進む。ペルーのタナが良く合う。イタリアのバルバレスコも飲んじゃった。

性格はもちろん顔から姿形まで日本人まるだしの私なのに、ラテン系のアレコレがやけに肌に合う。心地良い風のように。サッカーも芸術もワインも。

しばらくは、我が家の飲み会に集まる友人達には、もれなく生ハムが提供されます。