もはや予測不可能

真田のメルロ、22日(土)と23日(日)に収穫します。天候次第で前後する可能性もありますが、ほぼこれで決定。

異例の前倒しです。早すぎます。もっと長く、できるだけ長い期間ぶどうの房をつけておきたかった。

この夏の上田市はまさに異常気象。暑すぎた。夜の温度も下がらない。移住して6回目の夏で初めて熱帯夜を経験した。異例づくしの夏。もはや予定することさえ無意味だった。

今のところぶどうの状態は良好ながら、少しずつ晩腐病という病果も出てきている。9月に入っても長雨にはならず晴れ間があったりと日照量もそこそこある。果汁分析値、食味ともに決断の時だ。

目標に遠く及ばず。。。

白ワイン品種の総収量は約350kg。2017より30%ほど増えたものの目標とする500kgには遠く及ばず。用意していただいた醸造所の最少タンクが大きく感じてしまった。新築なったまし野ワインの設備になんだか申し訳ない。

実の味はいい。2018も期待できる。しかし収量が・・・。

2017が自分のイメージに近い仕上がりだったので、なんとかもっと多くの方々に届けられるぐらいの生産量が欲しかったが、やはり現実は厳しい。

なかなかの熟し具合だったぶどう、たくさんの協力者を得てそれなりの達成感があった収穫だったが、委託醸造先のまし野ワインから帰ってくる時には複雑な気分に包まれてしまった。

栽培へのこだわりと現実的な経済感覚。知れば知るほど悩みは深まるばかりだ。

ピンチは歓喜

本日、2018の初収穫。白ワイン品種のシャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランです。酷暑の夏を証明するかのように昨年より2週間早い。

「最悪、2〜3人ぐらいで病果の多い収穫作業になっちゃうのかな・・・平日だし」と、このピンチに少々焦っていた。

が、集まってくれましたぁー!歓喜!

酒屋さんご夫妻2組、栽培友だち、シェフ2人、地元・岩清水から2人、上田市で通訳やっている人、埼玉からワイン仲間。私を入れると総勢12名と驚きの多さ!自分がいちばんビックリした。

病果の影響と夏の小雨による小粒な房のため、当初想定した収量からはかなり減ったものの、細かく手間のかかる作業もどんどん進み、心地良い疲労感で作業を終えることができた。

ご参加いただいた皆さん、本当に心から感謝します。2018も絶対良い白ワインになります。

悪魔のささやき?

耳元で囁きが聞こえてくる。「ちゃんと農薬を使えばいいじゃん」と。

収穫をあさって12日に控え、病気の粒を取り除く「病果取り」の作業を行っている。まぁたくさんあります。酷いものはこんな(↓)だ。

やっぱりボルドー液だけでは白ワイン品種は厳しいね。日に日に果実が減っていく。別に自然派を気取っているわけではないけど、深く優しい味わいのワインができると信じているので。

とはいえ、着実にぶどうの粒が減っていくのは中々辛いもの。そんな時に前述のような声が聞こえてきてちょっと考えることもある。

だって、ごく標準的な農薬を加えるだけで、収穫量が増え→経営も少し楽になるのだもの。手間だって減るから体力の消耗も軽減でき、いいことずくめじゃん。

何事も理想と現実の狭間には、何者かの囁きが飛び交うようです。

優柔不断の極みなり〜収穫適期の難しさ

さて、どうしたものか。

ぶどう栽培で悩ましいことは山ほどあるが、その中でいちばん難しいのが収穫を「いつやるか」だろう。

教科書的には、糖度が20度以上あり、酸度が0.7g/100ml以上、pH3.0〜3.3などとあるが、実際にはそうお望み通りにはいかない。ましてや“今年も”気候が並みではない。

生来、理数は苦手。若い頃からあらゆる分野で「勘」で生きてきた。ところが、栽培も醸造もあいにく理数系ときている。経験は重要だが同じぐらいデータが必要となるのだ。

経験不足は承知しているが、そこは譲れない、というポイントもある。「好きな白ワイン」という好みだ。ちょこちょこ粒を食べて熟し具合を確かめながらの感覚と採取したデータをたよりに決断をしなければならない。

まぁ、これがいちばん“揺れ動く”のだ。なかなか決断できないよ。優柔不断の自分にイライラする。

私の場合ホントに一人で栽培しているので、収穫ボラの方々はとても大切な存在。だから、なるべく週末に収穫をぶつけたいのだけれど、どっこい「そうは問屋が卸さない」とばかりに葡萄と天候が立ちふさがる。このあたりも中々思うようにはいかない。3回目の収穫となる今回も想定が大外れでした。

収穫適期は難しいなぁ。

9月12日(水)、シャルドネ、リースリング、ソーヴィニヨン・ブランの収穫を行うことに決めました(荒天の場合は翌13日)。

早めの収穫模様

湿度が高く信州らしくない天候ながら日照量多めの7〜8月で葡萄は良い状態を保っていたが、心配していたとおり、ここにきて雨や曇りが多い。例年より台風が多発しているのも気になる。9月は不安とともに始まった。

昨日でようやく電気柵の設置が完了。草刈りを入念にやる必要があり思いのほか時間がかかってしまった。

シャルドネ。ここからの病気が心配。

メルロは10月中旬まで引っ張れるだろうか?難しいかな?

春の早かった今年は現在も気温高めで推移しどこも例年より収穫が早くなりそう。明日は千曲市の収穫お手伝い。ウチも昨年より10日ほど前倒しで予定しているがどうだろう?

戦闘モード突入

お盆明けあたりからは、やっぱり緊張感が出てくる。意識が収穫モードに変わるからかな?

栽培の良否は1年間の積み重ねだから、本当はいちいちモチベーションに浮き沈みがあってはいけないのだけど、それでもやはり気持ちは自然と高まってくる。

ここまでの天候は悪くないけど、2016年が8月末から9月いっぱいの長雨で痛い目にあったから「雨が怖い」気持ちが残っていて、そうは油断がならないのだ。

VARTのホームページに「イベントカレンダー」を加えた。収穫日は天候に大きく左右されるため、必ずしも週末に行えるわけではないので、もし収穫ボランティアにご参加いただける方がいらっしゃったらこのカレンダーを参考にしてほしい。

昨日のシャルドネ。戦闘モード突入中です。

潮目

ここにきて、まるで悪夢のようだった連日の猛暑が終息してきた。夜中には寒くて目が覚め薄手の毛布をひっぱりだした。ここ岩清水は16℃台まで気温が下がったと思われる。

毎年お盆前後を境に気候が変化するけど、今年はとかく有難さが身にしみる。

潮目かな?

夜の温度が下がると安心する。ぶどうにも良いのだ。冷涼なこの地域ならではの成熟曲線が望める。ゆっくりゆっくり成熟してくれる。

昨年よりヴェレーゾン(生長の転換期)が1週間ちょっと早い。

今年は結実不良がやや多いものの、今のところ「そう悪くない」。8月下旬から10月にかけて長雨が無いことを祈るしかないため「順調」と言う表現を使うのは適していない。恐怖心が日増しに芽生えてくるからだ。

ともあれ、真田ヴィンヤードも殿城ヴィンヤードも心地良い風を感じるようになってきた。

求むパン屋さん。

私の住む小さな集落には、コンビニも自販機も郵便局も無いけど、豊かな森に囲まれ街から完全に隔絶されている。これがいい。

妄想する。この村だけにある素敵なお店があったら楽しいだろうな、と。

パン屋さん、誰かやってくれないかな。

店内にカフェもあったりして。村内で焙煎したての豆が手に入るから美味しい珈琲も出せる。少ないながらハムやチーズも店頭に並ぶ。店先には近所から集まる野菜が置いてある。

もう毎日行っちゃうよ。

ウチは酒屋をやる。できたてパンにハムとチーズ、家の前の葡萄からできたワイン。

人々が集まる。

「小さな村物語イタリア」の日本版が実現する。

いい暮らしだ。

可能性があるよ、ウチの村。

忙中閑無し

気づいたら1ヶ月以上投稿していなかった。

いろいろあったんだけど、ありすぎて何だか分からないまま時が過ぎていく感じ。

6月20日の白ワイン発売に続き、先週の7月24日には赤ワインをリリース。慣れない小売仕事でバタバタしながらも、人間の都合とは関係無くぶどう樹はこの時期どんどん梢を伸ばし葉を繁らせ果粒が肥大する。こまめな管理は欠かせないし、酷暑での防除もきっちりやらねばならない。なかなか厳しい。

そんな嵐のような1ヶ月半あまりも、とりあえず昨日で一段落。ささやかに祝杯。

11日間続いた35℃以上の炎暑も土曜日の台風到来とともに去っていった。早くも夜はTシャツとパンツだけで寝ていると寒いくらいだ。

暑さのせいか最近3〜4日は疲労感が出て身体が重かったけど、今朝は6時過ぎまで(寝坊)ぐっすり眠れ、なんと睡眠9時間!ちょっと頭と身体が軽くなった。

真田殿城ブラン2017と真田メルロ[樽]2017は、バート・ジャパンで発売する分がまもなく品切れ。有難い限りだ。

8〜10月はいよいよ最終仕上げの時期。1年の集大成だ。栽培家としてはここからが本当の勝負所。春からここまで順調にいっていても何が起こるかわからない。

おそらく気候の流れは変わった。休んでいるヒマはない。意識も新たに臨みましょう。