真田殿城ブラン2018

今日、6月21日は「真田殿城ブラン2018」の発売日でした。

冷涼な気候の標高750〜800mにあるVARTのヴィンヤードですが、2018年7〜8月には記録的な猛暑となり、この地域にしては異例なほど夜温が下がらない日が多くなりました。その影響もあってか9月早々より酸が落ちはじめるなど、糖度・酸度・phの数値変動に悩ませられる日々となりました。併せて台風と長雨兆候で病害の蔓延も懸念されることから、充分な成熟を待つことが叶わない状況での収穫を決断。最終的な果汁分析による糖度は18.5度でした。

醸造は、まし野ワインの竹村剛氏に委託。2017ヴィンテージと同じく収穫した3つの白品種(シャルドネ78%、ソーヴィニヨンブラン13%、リースリング9%)を同時に仕込む混醸、そして1週間の醸し発酵(マセレーション)を行っています。<培養酵母/補糖あり/MLFは回避/濾過は粗め(2μm)>
マセラシオンタイプながら透明感のある外観は白ワインらしい色調の落ち着いた佇まいとなっています。

凝縮感と酸味は控えめながら、タンニンを備えた味わいには畑を耕したような香りや、りんご、ピール、オイリー等の香り、そして時間とともに現れるほのかな苦味など、繊細で多様な表情が感じられます。
複雑すぎず軽やかさを保つ2018ヴィンテージには、すぅっと口の中をすべるように入る心地よさがあり、和洋を問わず食材そのものを活かしたシンプルな料理との相性がお薦め。
食味を邪魔しない穏やかな香りは、型にはまらない自在なペアリングが楽しめると思います。

エチケットの絵は2015年の油彩画で、2人分の翼を持った鳥を描いたもの。商品名の「真田」「殿城」は、共に産地の名称となります。

今日はお客様への納品や配送手配、SNSをはじめVARTのホームページやこのブログを最新のものに更新する作業やらでバタバタして一日が終了。

何にせよ、商いとなるとどんなものでも大変です。また明日がんばりましょう。

少々疲れ気味

昨日は木曜日で個展会場の「ギャラリーカフェすみれ屋」さんが定休日だったため、一日中畑仕事に精を出しました。

芽かき、誘引、そして草刈り、草刈り。

昨日は暑かった。30.4℃。疲れた、草刈り。

今朝は筋肉痛。頑張りすぎた、土手の草刈り。

6時過ぎ頃から雨が降っている。いまは本降りだ。

このところ個展の都合もあり早朝から畑に行っているけど今朝はお休みにした。防除の予定もあり少々悩みどころだけど、体調管理には恵みの雨とも言える。

新梢もだいたいイメージ通り出揃ってきた。

間もなく梅雨入りするだろう。これから10月まで天候とにらめっこの日々が続く。

もはや休み無し。ブラックの魅力。

寒暖の差が大きい地域って、進み始めると早い。変わり目には2〜3週間もたたずに様相が一変する。特に展葉(葉っぱが開く)が始まってからの進み方は見事なものです。

このところ集中して行っていた芽かき作業、1回目は終了。早いのはもう2番線に届きそうなぐらい伸びてきた。この後も見回りを欠かさず樹勢を見ながら継続していく。

昨日からは草刈りも本格始動。

春先は体力がまだ戻りきっておらず一日の疲れが夕方にどっと出る。それでも半月前よりは筋力も含め農繁期バージョンになりつつあることは感じているので、今シーズンもなんとか乗り切れそうだ、という気持ちになってきた。

6月1日から地元で個展があるため、その追い込みで今は精神的にもキツイ。

6月下旬には白ワインの発売予定もあり、その準備もやらなきゃ。

休んでいる暇がないなぁ。

ブラック業界か?。

ブラックって薄っぺらなのはすぐに色褪せる。透けて見える。

深みのあるブラックは表情が多彩なのだ。ディープなほど魅力的なのです。

農民のGW

改元騒ぎはどこ吹く風、農民はGWの10日間もフル稼働です。

新しい畑を借りました。村の目立つ場所にある。地形の都合上、一枚で広々とした効率の良い畑は無いため、長細く段状になっている。しかし陽あたりは抜群で水はけの良い適度な傾斜地だ。いままで気づかなかったが中々見晴らしが良い。小さいながらも「風光明媚」という形容がぴったりくる。

※写真(↓)は4月25日のもの。手前側と続きで右側の奥に広がる。

苗が手に入りづらくなっているため、とりあえずは入手できた本数だけ30日に植えた。カベルネ・フランを68本。初めての品種だ。昨日現在順調。

27日は去年に借りた小さな畑に暗渠(あんきょ)を設置する工事。地中に排水孔のあるパイプを埋め込むのだ。もちろん一人で全部こなす。腰が悲鳴をあげそうになった。

基盤整備された土地は形状は良いがカチカチの強粘土で水はけが悪い。昨春より一年かけて草を生やして養生させたものの肝心の雑草や緑肥もろくに伸びず仕舞だったため、まずは水はけ改善を施しもう一年土壌づくりをする。ちなみに、ここはタダで貸していただいた。「田舎は人間関係が濃密で面倒くさい」と都会の方々の数%から意見があるが、普通にちゃんと接していれば物事がビックリするほど楽に話しが進むことがある。

28日(日)は村のお花見。お寺の境内で催された小さな宴会。

その他もずっと畑仕事。真田ヴィンヤードのメルロ、シャルドネ、リースリングは今のところ順調。ヴィンヤード周辺の片付けも滞っている。巻きつる除去が進んでいない。ワイヤーも追加しなきゃ。新しい柱立ても必要。あれこれ考えるとやることいっぱいで作業は遅れ気味じゃん!

今朝の家の前のシャルドネ。若木なのでちょっと早めに進んでいる。芽掻きも始まっている。

寒くなったり暑くなったりしているけど、比較的ふつうの育成スピードと思われる。

関東の南岸付近では先日、雹が降ったようだ。果樹農家にとっては怖い天変。この時期に畑を襲わないよう、ただただ祈るしかない。

機械も科学もなかった昔の人々が篤い信仰心に支えられていたことを知る農民生活です。

スロットル開いてきた

今日からまた下がり気味のようですが、先週からの春気配は本物ですね。

真田の畑にも春本番がやってきました。つまり畑仕事が忙しくなる。まだ時おり朝晩に雪がちらつくかもしれないけど、もう氷点下が続くことがない。なので、根回りを保護していた藁を外す作業をおとといから始めた。

真田ヴィンヤードは陽あたりが良く比較的暖かいので、一部ダメージを受けている個体を除きほとんどの樹が順調に動き出している。「すくすく育っている」ていう印象。根が元気な証拠で、水がどんどん上がってきている。

お隣の梅園では梅が満開だ。桜じゃないよ。標高600〜800m付近は今が梅の見頃です。

農作業もエンジン全開です。

三寒四温

いつものこととはいえ、サボり気味のこのブログに、今年になってから一度も畑のことをアップしていないことに気づいた。

ぼちぼち始まっています。

一昨日から寒くて、明日あたりからまた暖かくなる様子。三寒四温ですね。休眠打破のローテーションが増えてきた。

いよいよ待ったなし。

畑の準備、進めなきゃ。いろいろある。

例年より暖かい今年は動きも早いだろう。

越冬のために養分をため込んだ根元から「水が上がって」きて、剪定した切り口から出てきている。命のダイナミズム。カワイイ。愛おしい。

年末のご挨拶に行ったら。

昭和の中頃に農家で生まれ育ったので、昔ながらの日本的風習はある程度は染みついている。

そんな訳で、年末ともなると身についている習慣というものがあり、これを済まさないとどうにも落ち着かない。

今日は畑を貸していただいたいる地主さん数軒に年末のご挨拶に伺った。軽く雑談を交わしながら帰ろうとすると「ちょっと待って・・・」と呼び止められる。

あれもこれもと農作物が出てくる。「ひとり暮らしだから、、、」と、なるべく少なくしてもらうのだけれど、結局はかなりの量をいただくことに。

リンゴ、サツマイモ、白菜、じゃがいも、リンゴ、干し柿、つきたての餅、キーウィ。あれ?手みやげ品よりかなり多いなぁ。

いつもありがとう。今夜は鍋と日本酒です。

冬支度スタート

この時期、1週間も留守にすると信州の様相は一変する。見た目は秋だけど「冬本番間近」といった方が肌感覚に近い。畑の周囲も真田の郷も枯れ葉色に染まっている。

今週初めまでは暖かめだったけど、おとといは-0.2℃、昨日は-0.1℃と朝晩が冷えてきた。そろそろ冬支度だ。

ぶどうの樹の根回りをしっかり保護してあげる「わら巻き」作業のスタートです。

雪の多い地域では積雪そのものが「布団」みたいにして一定の温度で保護してくれるけど、うちの地域は雪が少なめで-10℃以下が続くこともあり、冷たい外気にさらされ続けると凍害で翌春に芽吹かない場合があるのだ。これは怖い。

寒がっている子どもにコートも用意してあげれられないようでは保護者としてどうかと。ひとりでコツコツ行うため例年1ヶ月以上かかってしまうけど、根の保護は大切、というか心配なので、ちゃんとやります。

来年も良いぶどうができますように。

どんな感じになるのかな?

ずっとメルロの収穫にピリピリしながらぶどうの状態と天候ばかり気にしていて、13日にまし野ワインに持ち込み仕込んだ白品種のプレス(もろみを圧搾する作業)を見に行くのを忘れてしまった。残念。醸造家の竹村氏が画像を送ってくれました。

搾ったばかり。この後にオリ下げを行うと透明感が出てくる。去年よりオレンジっぽくなるようです。

2017に続き「真田殿城ブラン2018」も混醸仕込み〜醸し発酵です。2週間のスキンコンタクトっていう感じ。

さて、どんな白ワインになるのかな?日本らしさをそのままに、飲み応えのある白ワインに仕上がったら嬉しいな。

早くも来年が待ち遠しい。

充実!秋の大型三連休

22日(土)・23日(日)、真田ヴィンヤードでメルロの収穫を行いました。2018栽培シーズンの集大成です。

12日の白品種に続き今回もたくさんの皆さんの手を借りて、素晴らしい収穫作業となりました。ご参加いただいた皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

午後からの方、午前のみの方などを合わせ、両日各14名ずつの参加者。地元岩清水から、東御市、上田市、千曲市から、そして群馬県高崎市、茨城県つくば市、千葉県市川市、神奈川県相模原市・横浜市など直前で日程が変わったにもかかわらず集まってくれました。上の写真は23日の最後までお手伝いたいだいた方。

22日は朝から天候がイマイチで昼頃からのスタートに。

昼過ぎからは晴れてちょっとムシ暑く。病気が増えて選果作業がものすごい手間!人手がたくさんあるのにぜんぜん進まず「終わらないかも?」と不安になる。この日は夕方暗くなる直前まで収穫したものの、やはり想定していたノルマには達しませんでした。

23日は朝から昼頃まで晴れ、その後曇り。前日のエリアよりは房の状態も良く、夕方までにどうにか全て採り終えました〜。22日もだけど、収穫に夢中になるとみんな無口になります。というか、自分も含めて両日ともに和気あいあいと作業している余裕がなくて、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

24日(月)。前日の夕方遅くに持ち込んだぶどうの仕込み作業を東御市のcave hatanoで行う。

「梗」という軸の部分を除きぶどうの粒を同時に潰す「除梗破砕」という作業です。

収穫できたぶどうは1,081kg。去年より少し増えました。1,000Lタンクに入りきらず。ちょっと嬉しかった。

2018年の収穫量は白・赤あわせて昨年比13%アップ。収穫時期が「信じられない」ほど早まったものの、判断は適していたし、選果を厳しく行っているので、ぶどうの状態も良好と言える。

さて、あとは信頼する醸造家に託すのみ。

今年の秋の連休は、たくさんの方々と交流できたこと、そして良いぶどうが収穫できたことで、個人的にも近年にない充実した3日間となりました。まさに実りの秋。

ただいま、とんでもない達成感に浸っています。幸せ。